高血糖対策・糖尿病予防に
『日本山人参』
『日本山人参』は高血糖に有効で、空腹時血糖・食後血糖・HbA1cが大幅に下がります。 また、日本山人参には、神経障害・腎症・網膜症といった糖尿病の合併症を抑える働きもあります。 糖尿病によって起こる高血圧や血管の収縮・損傷を防いで、動脈硬化を退けるのです。 さらに日本山人参は、血小板の凝固を抑える働きにより血液がサラサラになるので、 血管が傷つくこともなく、余分な成分が血管壁に付きにくくなり、血管の詰まりも防ぐことができます。
■日本山人参とは?
神の草として珍重されていた
『日本山人参』は、その形や効能が朝鮮人参(高麗人参)と似ていることから、 その名が付けられました。古くは「ウズ」と呼ばれ、学名は「ヒュウガトウキ」というセリ科の多年生植物です。 ヒュウガ(日向)という名前からもわかるように、自生地は宮崎県が中心で、 宮崎県北部から大分県南部に限られています。 今から300~400年前の江戸時代には、薩摩藩の霧島地方で無病息災をもたらす「神の草」として栽培され、 珍重されてきました。領民たちが日本山人参が乱獲されるのを恐れたせいか、 近年まで広く一般には知らされることがなかったのです。 ところが最近になって、日本山人参の研究が進められ、さまざまな薬効が実証されてきました。 日本山人参の薬効の中でも、特筆すべきものが、高い血糖値を下げる働きです。
■糖尿病と日本山人参
日本人の「国民病」といわれる糖尿病。いま、糖尿病の患者さんの高い血糖値を改善する 特効食として注目されているのが、『日本山人参』です。 私たちの体は、食べ物から摂取したブドウ糖を細胞に取り込んで、エネルギーとして利用します。 そのさい、「インスリン」というホルモンが筋肉や脂肪組織でブドウ糖の取り込みを促進して、 血糖値を下げます。膵臓から分泌されるインスリンの働きや量が低下して、血液中のブドウ糖が体内に取り込まれにくくなり、 血糖値が上昇して起こるのが糖尿病です。糖尿病の発症には、インスリンの働きの悪化と分泌量の低下という、 主に二つの要因が挙げられています。特にインスリンの働きが悪化すると、インスリンが十分に分泌されているにもかかわらず、 効き目が低下してしてしまいます。こうした状態を専門的には「インスリン抵抗性」といいます。 インスリン抵抗性には、血液中のブドウ糖と結合したインスリンを受け取る受容体の働きが関係しています。 インスリン受容体の働きが衰えると、全身の細胞にインスリンが取り込まれにくくなり、血糖値が上昇してしまうのです。 日本山人参の有効成分は、YN-1(イソエポキシプテリキシン)というクマリン系の有機化合物です。 YN-1はインスリン受容体を活性化させ、インスリンの働きを増強することが確認されています。 日本山人参を摂れば、有効成分のYN-1によって、インスリンの働きが高まり、ブドウ糖が全身の細胞に取り込まれやすくなるため、 高い血糖値を改善することが期待できるのです。
■日本山人参の血糖降下試験
日本山人参の臨床試験では血糖値が20ミリも下がり、糖尿病予備軍の人も著効
日本山人参が血糖値を下げる働きは、臨床試験でも明らかになっています。
日本山人参を糖尿病の患者さんに用いた臨床試験をご紹介しましょう。
糖尿病の患者さん11人(男性4人、女性7人、年齢は52~83歳。平均年齢は70.6歳)に
日本山人参を1日1g、朝・夕の2回に分けて1ヶ月間摂ってもらいました。
試験中は糖尿病治療薬を中止してもらいました。
その結果、次のように著しい効果が現れたのです。
- 空腹時血糖値(基準値は60~109mg、126mg以上は糖尿病)が、平均145.2mgから平均124.2mgに低下。
- 食後2時間血糖値(基準値は100~140mg、200mg以上は糖尿病)が、平均229.2mgから平均188.5mgに低下。
- 最近1~2ヶ月の血糖値の推移がわかるヘモグロビンA1c(以下、HbA1c:基準値は4.3~5.8%)が、 平均7.5%から平均6.9%に低下。
また、血糖値がやや高めの糖尿病予備軍の患者さん13人(男性7人・女性6人、28~57歳、平均年齢44.2歳)にも、 同じように日本山人参を摂ってもらったところ、やはり血糖値の低下が認められたのです (空腹時血糖値が、平均108.2mgから96.6mgに低下)。 さらに、大阪外国語大学保健管理センターの梶本修身准教授らが行った臨床試験では、 糖尿病の患者さん20人に日本山人参を2ヶ月摂ってもらったところ、次のような結果が出ました。
- 空腹時血糖値が、平均186.9mgから平均156.4mgまで低下。
- HbA1cが、平均7.7%から平均6.8%に低下。
日本山人参を摂ることによって、糖尿病の患者さんの血糖値だけでなく、糖尿病予備軍や血糖値が基準値域内でも高めの人の 糖尿病を、予防する働きも期待できることが明らかになったのです。
また、大阪外国語大学(現大阪大学)の保健管理センターで行われた、糖尿病に対する臨床試験では、 糖尿病の患者さん20人に日本山ニンジンを8週間(約2ヶ月)摂ってもらいました。 その結果、空腹時血糖値は平均で186.9mgから156.4mgに低下。 また、過去2ヶ月間の平均血糖値を示すヘモグロビンA1cは平均で7.7から6.8に改善しました。
■日本山人参の働き
インスリンの働きが増強されて血糖値が大幅に下がり、合併症の進行も止まる
前述のように、日本山人参は、血糖値を短期間で著しく低下させることがおわかりいただけたでしょう。 日本山人参を摂ると、血液中の血糖値をコントロールするインスリンの働きが増強されることが、 ラットを使った動物実験で明らかになっています。 こうした働きは、日本山人参に含まれる「YN-1」という有機化合物が中心となっていると考えられます。 YN-1がインスリンの働きを増強することで、血液中のブドウ糖が細胞に取り込まれやすくなり、 血糖値が下がって糖尿病の予防や改善に役立つのです。
さらに日本山人参には、高い血糖値を下げるばかりか、糖尿病の合併症を抑える働きもあるのです。 血糖値の高い状態が長く続くと、尿が増加したり口が渇いたりする自覚症状が起こります。 さらに治療を行わないと、神経障害・腎症・網膜症といった合併症を引き起こすことがあります。 糖尿病の本当の怖さは、この合併症にあるのです。 糖尿病の合併症で足に壊疽が起こり、切断するしかないといわれた患者さんが、日本山人参を摂ったところ、 手術を免れることができました。日本山人参を摂りはじめて1ヶ月程度で高い血糖値が下がりだし、 合併症の進行が止まる例は少なくないのです。これは、日本山人参に 「動脈硬化」を抑える働きがあるからです。 糖尿病になって合併症が起こる最大原因は、動脈硬化にあります。 日本山人参は、糖尿病によって起こる高血圧や血管の収縮・損傷を防いで、動脈硬化を退けるのです。
また、日本山人参には、血小板の凝固を抑える働きもあります。 血液がサラサラの状態になるため、血管が傷つくこともなく、余分な成分が血管壁に付きにくくなり、 血管のつまりも防ぐことができます。
■最後に
糖尿病になっても、動脈硬化を引き起こさなければ、合併症を防ぐことは大いに期待できます。 その一助になるのが日本山人参です。日本山人参を使った健康補助食品を利用すれば、 楽に摂ることができるでしょう。ただし、糖尿病は治る病気ではありません。 運動療法や食事療法、病院の治療と併せて、日本山人参の健康食品を摂れば、血糖値をコントロールしやすくなり、 合併症を防ぐことができるのです。なお、日本山人参には、慢性の炎症やアレルギー反応を引き起こす物質を抑えたり、 発がん物質を退けたりする働きもあることもわかってきました。 今後最も注目される生薬の人です。