メタボ対策・ダイエットに『酢大豆』①

更年期以降の女性は女性ホルモン不足でポッコリ腹(内臓脂肪太り)を招くが、 女性ホルモンを補えば、お腹がすぐへこみ、腕も足もほっそり激痩せするとわかった。 女性ホルモン不足の解消には『酢大豆』でが絶好で、脂肪の吸収も抑えて5kgは痩せ、お腹もへこむ。

■女性は40代から肥満が増える

以下の文章は某クリニック院長が健康雑誌に寄稿したものです。

ほっそりとしたスタイルのいい女性でも、中年になると、男性のようにお腹太りが目立ってきます。 厚生労働省の「国民栄養調査(平成22年)」によれば、男女とも20代から30代40代と肥満者の割合が増えていきます。 全体に肥満者が多いのは男性ですが、その数は50代がピークで、それ以上の年齢になると徐々に減少していきます。 これに対して、女性は40代以降で肥満者が急増します。 そもそも、肥満になるのは、食事で摂るエネルギー(カロリー)が運動などで消費されるエネルギーを上回ってしまうから。 つまり食べ過ぎや運動不足が肥満の原因になります。 しかも、年を取るにつれて脂肪を燃やす働きのある筋肉の量が減って、脂肪の燃えにくい体になっていきます。 そのため、食べる量が若い頃と同じようだと、燃やしきれずに残った脂肪がどんどんたまって、肥満になってしまうのです。 さらに、女性の場合は、更年期を迎えて女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少することも、肥満の原因になっています。


●女性ホルモンの減少がお腹太りを招く

エストロゲンは、男性でも分泌されますが、その量は微量で、生涯を通じてほとんど変化しません。 一方、女性は30歳前後に分泌量がピークになります(左図参照)。 実は、エストロゲンには内臓脂肪を付きにくくする働きがあります。 そのため、若い女性は内臓脂肪太り(内臓脂肪型肥満)になりにくいのです。 ところが、女性のエストロゲンの分泌量は更年期以降に急減します。60歳以降の女性では、何と男性の分泌量を下回ってしまうのです。 エストロゲンの分泌量が減ると、 さまざまな更年期障害が現れ、全身の働きにも大きな影響を与えます。 例えば、食欲への影響があります。エストロゲンの分泌量が減ると、「レプチン」という食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、 逆に「グレリン」という食欲を増進させるホルモンの分泌が増えて、食欲が増加します。 また、レプチンの働きが低下することで、内臓脂肪が燃えにくくなるともいわれています。 このため、女性はエストロゲンの分泌量が減る40代から、内臓脂肪が増えて太りやすくなります。 もともと女性は下腹部や腰回り、太腿などに脂肪が付く皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)になりやすいのですが、 中年以降に内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)が多くなるのはこのためです。 内臓脂肪型肥満は、高血圧や脂質異常、糖尿病、動脈硬化などの生活習慣病を進行させるため、すぐにでも解消する必要があります。 幸いなことに、内臓脂肪型肥満は、運動や食事といった生活習慣の改善で解消しやすいので、まずは運動を習慣づけて、 余分な内臓を燃やすようにしましょう。こまめに動くだけでも、内臓脂肪を燃やす効果があります。 食事では、脂っこいものは避けて、魚や大豆食品、野菜やキノコ、海藻類を十分に摂って、栄養のバランスを整えることが肝心です。 特に大豆食品は、畑の肉と言われるほど良質なタンパク源であるばかりでなく、女性ホルモンとよく似た働きをする 「イソフラボン」が豊富なので、更年期を過ぎた女性におススメしたい食品です。 大豆食品を摂って、イソフラボンを補給すれば、内臓脂肪が燃えやすくなりお腹太りの解消に役立つでしょう。



●脂肪燃焼成分を豊富に含む大豆

中高年女性の肥満、特にお腹太りは、更年期を過ぎてからの女性ホルモン(エストロゲン)分泌量の急激な減少と 大きなかかわりがあることは、前述しました。そこで、不足する女性ホルモンを補って、肥満を解消するのに 私がお勧めしたいのが『酢大豆』です。 酢大豆の材料である大豆には、女性ホルモンと化学構造も働きもよく似たイソフラボンが含まれ、もう一つの材料である酢には、 体内の脂肪を燃焼させるという働きがあります。つまり、酢大豆は、大豆と酢の両方の働きで肥満を解消してくれる特効食なのです。 イソフラボンとは、大豆の胚芽部分に多く含まれるフラボノイド(植物に広く含まれる色素化合物)の一種です。 化学構造が女性ホルモンによく似ていて、体内に入ると女性ホルモンと同様の働きをすることから 「植物性エストロゲン」とも呼ばれています。 大豆を積極的に摂れば、イソフラボンが女性ホルモンの代わりとなって働き、内臓脂肪によるお腹太りを解消してくれるのです。 実際、静岡県立大学などで行われた実験により、イソフラボンには、女性ホルモン不足による体脂肪の増加を抑える働きのあることが わかっています。また、大豆の主成分である大豆たんぱくは、脂肪燃焼を促す働きがあります。 加えて、大豆たんぱくに含まれる「β-コングリシニン」という成分には、脂肪燃焼を助ける 「アディポネクチン」 というホルモンの分泌を促す働きがあることもわかっています。


●酢の代謝アップ効果で内臓脂肪が燃焼する

一方、酢には「クエン酸回路」を活性化させる働きがあります。 クエン酸回路とは、摂取した食べ物をエネルギーに変える、いわば体内のエネルギー生産工場のようなものです。 クエン酸回路が活性化すると、エネルギーがどんどん作り出されるのです。 ところが、この回路の働きが低下すると、食べ物を効率よくエネルギーに変えることができなくなるため、 体内に脂肪を溜めこんでしまい、お腹太りを招きやすくなります。 そこで、酢を積極的に摂ってクエン酸回路を活性化させれば、肥満を防ぐことができるというわけです。 さらに、酢に含まれるアミノ酸は、脂肪の蓄積を抑えます。特に酢に多く含まれるリジン、ブロリン、アラニン、アルギニンなどの アミノ酸には、内臓脂肪を燃やす働きのあることがよく知られています。 つまり、酢をたくさん摂れば、代謝がよくなって内臓脂肪が燃えやすくなり、お腹太りが解消するのです。


●酢大豆

このように、大豆と酢には肥満を解消する優れた働きがあります。 そこで、大豆と酢を同時に摂って相乗効果まで期待しようというのが『酢大豆』です。 といっても、酢大豆は特に目新しいものではありません。以前大ブームになって新聞や雑誌の市場をにぎわせたので、 覚えている人もいるでしょう。ブームから30年以上たった今でも、日本各地で酢大豆を食べる習慣は脈々と受け継がれています。 これは酢大豆の肥満解消や健康増進に関する優れた働きが、多くの人に認められているからです。 実際、酢大豆を常食することでお腹がへこみ、5kg、10kgは簡単に減量できた人が大勢います。 お腹太りに悩んでいる人は、ぜひ試してみるといいでしょう。