メニエール病のめまい

■長引くめまい

難聴や耳鳴りなどを伴う場合、メニエール病の可能性がある。

メニエール病はめまいを長期にわたって繰り返す代表的な病気で、内耳の異常によって起こります。 脳の病気のように、体の麻痺や言語障害などを伴うことはありません。 メニエール病の多くは、ぐるぐる回るタイプのめまいが起こります。 めまいは10分ほどで治まる場合もあれば、半日程度続く場合もあります。 めまいを起こす頻度も、週に数回から年に数回と、かなり個人差があります。 めまいの他に、難聴や耳鳴り、耳が詰まった感じ(耳閉感)などが起こるのも特徴です。 吐き気を伴ったり、嘔吐することもあります。

一般に、メニエール病は片方の耳に発症することが多いのですが、進行するともう一方の耳にも起こることがあります。 何年間もめまいを繰り返すうえ、耳の聞こえも悪くなるので、仕事や日常生活に支障をきたす場合が多くなります。

■メニエール病が起こる仕組み

平衡感覚や音の感受を司る部位が障害されて起こる

耳の一番奥に当たる内耳には、平衡感覚を司る「三半規管」と、音を感じ取る「蝸牛」という部位があります。 三半規管と蝸牛の内部は膜で２つの部分に分けられていて、それぞれが内リンパと外リンパという性質の異なる２種類の液体で満たされています。 メニエール病は、何らかの原因で内リンパが溜まって増え、”水膨れ”のような状態になることで発症すると考えられています。 内リンパが溜まり続け、膜が押し上げられるようになると、難聴が起こります。 さらに内リンパ液が増え、膜が破れて性質の異なる外リンパ液と混ざり合うと、 激しいめまいや耳鳴りなどが起こると考えられています。 これを「内リンパ水腫」といいます。破れた膜は自然に戻るため、めまいの発作はしばらくすると治まります。 しかし、再び内リンパが溜まると、発作が繰り返されることになるのです。