「めまい」は自分や周囲が激しく回転しているように感じる「ぐるぐる回るめまい」、 体がふわふわと宙に浮かんでいるように感じる「ふわふわするめまい」、立ちくらみのようにクラっとする「クラっとするめまい」の 大きく3つのタイプに分類され、様々な原因で起こります。
めまいの現れ方によって大きく3つに分けられる
めまいの原因は、めまいのタイプによっても異なります。めまいには、大きく分けて次の3つのタイプがあります。
脳梗塞や脳出血、脳腫瘍など、脳の病気が原因のこともある
めまいは様々な原因で起こりますが、特に注意が必要なのが、脳の病気によるめまいです。 脳の病気は命にかかわることもあるため、早急に検査と治療を受ける必要があります。 ただし、脳の病気で必ずめまいが起こるわけではありません。 内耳の情報を直接受けとる脳幹や体の運動にかかわる小脳が障害されると、めまいを生じやすいとされています。
めまいを起こす脳の病気には、脳の血管が詰まる 脳梗塞、脳の血管が破れて出血する 脳出血、 頭蓋内の組織に腫瘍ができる脳腫瘍などがあります。脳梗塞と脳出血は突然発症しますが、脳腫瘍は徐々に症状が現れます。 自分自身でめまいの原因を判断するのは困難ですが、脳の病気の場合はめまい以外にも特徴的な症状が現れます。 例えば、体の麻痺やしびれ、激しい頭痛、言葉がうまく出てこない(言語障害)、意識障害といった症状がある場合は、脳梗塞や脳出血が疑われます。 特に、どうしても立てない、歩けない、症状がどんどん悪化する場合は注意が必要です。 脳梗塞や脳出血が疑われる場合は、直ちに救急車を呼びましょう。症状が自然に治まった場合でも、再発する危険性があるので、 必ずその日のうちに神経内科か脳神経外科を受診してください。 脳腫瘍の場合は、脳梗塞や脳出血と異なり、月単位や年単位で徐々に進行します。異常に気付いた段階で早めに受診することが大切です。
内耳の病気や立ちくらみが原因のめまいも油断しない
次のようなめまいにも気を付けるポイントがあります。
どんなめまいがいつ起こり、どの程度続くかなどを伝える
めまいで受診した場合は、自分の症状をできるだけ詳しく医師に伝えます。 具体的には、まず、いつ、どんな状況で起こるかです。例えば、朝の起床時に起こるとか、疲れがたまった時に起こる、といったことを伝えます。 めまいには、大きく3つのタイプがあるので、それを参考にどんなめまいかも伝えます。 また、めまいは数十秒で治まることもあれば、半日程度続く場合もあるので、どれくらい続くかや、繰り返すかどうか、も大切な情報になります。 難聴、耳鳴り、耳閉感、手足の麻痺や言語障害など、めまい以外の症状がる場合も必ず伝えてください。
要注意!前庭神経炎と似ためまいが起こる病気
『ワレンベルグ症候群』とは、脳の延髄という部位が障害されることで起こる病気です。 最初に激しいめまいの発作が起こるため、前庭神経炎と診断されてしまうことがあります。 めまい発作の後に、他の症状がいろいろ出てくるのですが、発症直後に現れる症状はめまいだけであるため、診断が難しいのです。 めまいの後に現れる症状は、瞼の下垂(眼瞼下垂)、瞳孔が小さくなる、顔の温痛覚(熱や刺激に対する感覚)の低下、声嗄れ(こえがれ)などです。 また、実は激しいめまいが起こる前に、後頭部にガツンという痛みがあることも多いといわれています。 延髄に血液を送る血管が裂け、脳に血液が届かなくなることで、さまざまな症状が現れてくるのです。 前庭神経炎と診断されたときは、そのあとに前述したような症状が現れてこないか、注意しておきましょう。