老眼と屈折異常(近視・遠視・乱視)

老眼と屈折異常(近視・遠視・乱視)について説明します。


■老眼と屈折異常(近視・遠視・乱視)

40歳代になると、個人差はありますが、ほとんどの人が近くのものが見えにくくなる「老眼」になります。 老眼は、加齢によって目の調節力が低下したものです。 また、裸眼で遠くを見えているときに、網膜上にピントの合う状態を「正視」といい、 ピントが合わない状態を「屈折異常」といいます。 屈折異常は、大きく「近視」「遠視」「乱視」の3種類に分けられます。 ここでは、老眼の仕組みや老眼の矯正方法に加えて、近視などの屈折異常についても説明します。


■目の働き

「屈折」と「調節」の2つの働きでピントを合わせている

私たちは、いつも特に意識することなく目を使って物を見ています。 しかし、ぼんやりと風景を見ているようなときも、目は非常に複雑な働きをしています。 目の動きはよくカメラに例えられます。カメラでは、遠くの風景を撮るときと近くの鼻を撮るときでは、 ピントを変える必要がありますが、目は、このピント合わせを自動的に行っています。 目に入ってきた光は、角膜と水晶体で曲げられて、網膜上に像を結びます。この働きを「屈折」といいます。
さらに、水晶体はその厚みを変えることで、遠くから近くまでピントを合わせています。 遠くを見るときは薄い状態で、近くを見るときは厚くなります。この働きを「調節」といいます。 私たちの目は本来、こうした屈折と調節という2つの働きによって、自動的にピントが合うようになっているのです。


■屈折異常(近視・遠視・乱視)

裸眼で遠くを見えているときに、網膜上にピントの合う状態を「正視」といい、 ピントが合わない状態を「屈折異常」といいます。 屈折異常は、大きく「近視」「遠視」「乱視」の3種類に分けられます。


●屈折異常とは?

角膜・水晶体の屈折力や眼軸長が原因

目の屈折がうまくいっているときは、物がクッキリと見えますが、屈折がうまくいかないと、物がぼやけて見えます。 これを「屈折異常」といいます。 屈折異常があると、裸眼での視力が低下します。また、ピントを合わせようとして、 水晶体を支えている「毛様体筋」を酷使するため、屈折異常がない人に比べて、目が疲れやすくなります。 しかし、これらは適切な眼鏡やコンタクトレンズを使うことで改善できます。


●「正視」と屈折異常

屈折が正しく機能しているかどうかは、遠くを見ているときなど、目の調節力が働いていない状態で判断します。 屈折異常がない状態を「正視」といいます。 正視の人では、目に入ってくる光が、網膜上に正しく像を結びます。 屈折異常は、その見え方によって、大きく3種類に分けられます。

▼近視
目に入ってくる光が網膜より手前で像を結ぶタイプで、遠くが見えにくくなります。 原因によって2種類あり、屈折力が強すぎる物を「屈折性近視」、 眼軸長(角膜の頂点から網膜の中心窩までの長さ)が長いものを「軸性近視」といいます。

▼遠視
目に入ってきた光が網膜よりも後ろに像を結ぶタイプで、近くが見えにくくなります。 2種類あり、屈折力が弱すぎる物を「屈折性遠視」、眼軸長が短いものを「軸性遠視」といいます。

▼乱視
角膜や水晶体に歪みがあると、屈折力の強いところと弱いところができます。 すると、目に入ってきた光の方向によって、像を結ぶ位置がバラバラになってしまいます。 そのため、物が二重に見えたりします。

●中高年になって屈折が変わることも

中高年になると、老眼や病気とは関係なく、近視が強くなる場合があります。 また、乱視の人では、角膜の歪みの向きが徐々に変わってきます。 年を取るとともに、目にもいろいろな変化が生じます。 気になることがあれば、近くの眼科専門医を受診してください。


■老眼

40歳代になると、個人差はありますが、ほとんどの人が近くのものが見えにくくなる「老眼」になります。 老眼は、加齢によって目の調節力が低下したものです。 ここでは、老眼の仕組みや老眼の矯正方法に加えて、近視などの屈折異常についても説明します。


加齢によって、目の調節力が低下する

加齢によって目の調節力が低下した状態を「老眼」といいます。 老眼になると、近くのものにピントを合わせにくくなります。 大体45歳を過ぎるころから、新聞の文字が読みにくいなど、老眼の症状に気付くことが多いようです。


●眼の起こる仕組み

年を取ると水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の弾力性が失われたり、水晶体を支えている毛様体の筋肉が衰えてきます。 そのため、近くにピントを合わせようとしても、水晶体を十分に厚くすることができず、物がぼやけて見えています。 このような調節力の低下は、実は20歳代から始まっています。 調節力は「ジオプトリー(D)」という単位で表されます。 1mの距離にピントが合うものを1D、1/2m(50cm)の距離にピントが合うものを2Dと数えます。 10歳代では、10D、すなわち目から1/10m(10cm)程度の距離でもよく見えます。 しかし、調節力は徐々に低下していき、一般に40歳代では3D、つまり目から33cm離さないと、ピントが合わなくなってくるのです。


●老眼と間違いやすいもの

老眼と間違いやすいものに、遠視があります。遠視は、近くにも遠くにもピントが合いにくいことと、 老眼鏡と同じ凸レンズを使って矯正するため、勘違いしやすいのです。 ただし、遠視の人は老眼の症状が早く出る傾向があります。 ごくまれに、脳の病気によって調節力が低下することもあります。


■老眼鏡と老眼用コンタクトレンズ

老眼が起こったら、老眼鏡または老眼用コンタクトレンズで調節力を補います。 レンズは、大きく、「単焦点レンズ」「多焦点レンズ」「累進多焦点レンズ」の3種類に分けられます。


●老眼鏡の種類

単焦点・多焦点など、バリエーションは幅広い

老眼が起こったら、老眼鏡で調節力を補います。レンズは、大きく3種類に分けられます。


◆単焦点レンズ

レンズ全体が1つのピントに合わせてあるものです。 普通は近くに合わせた近用の眼鏡と、遠くに合せた遠用の眼鏡の2種類を作って使い分けます。 かけ外しが面倒ですが、目が疲れにくいという利点があります。

◆多焦点レンズ

1枚のレンズに、遠用と近用、または中距離用のピントを組み合わせたものです。 2種類のピントを組み合わせたものを「二重焦点」、遠用から近用へ、ピントが細かく段階的に変わるものを 「累進多焦点」といいます。 多焦点レンズの場合、視線を少しずらすだけで、遠くにも近くにもピントが合うので便利です。 ただし、それぞれのピントの境界線のところで物を見ると、歪んで見えたりすることもあります。


●老眼用コンタクトレンズ

ハードもソフトもあるが、合わない場合もある


◆ハードレンズ

単焦点、二重焦点、累進多焦点の3種類があります。 単焦点レンズの場合、一方の目に遠用、もう一方の目に近用のレンズを入れて、片方の目だけで見る方法もあります。 これを「モノビジョン」といいます。 二重焦点レンズは「交代視型」といって、レンズの中心が遠用、外側が近用になっています。 この場合、正面の風景を見ているときは遠用を見ていますが、本などを読むために下方を向くと、 レンズが瞳より上の方にずれるため、近用で見ることになります。 一方、累進多焦点では、交代視型と、「同時視型」の両方で物を見ています。 同時視型とは、異なる度のピントで同時に見るものです。複数のピントの像が見えるわけではなく、 脳が見たい方の像を自動的に選び取ってくれます。


◆ソフトレンズ

ソフトレンズにも、単焦点、二重焦点、累進多焦点があります。 ソフトレンズは瞳よりも大きく、ハードレンズのように目の表面で動かないため、 二重焦点も累進多焦点も、同時視型になります。

◆老眼を矯正するときは

自動車を運転する人、パソコン作業の多い人など、人によって必要なレンズは異なります。 老眼の矯正をするときは、自分のライフスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。