目の疲れ

さまざまな要因が合わさって起こる

目の疲れは、老眼、作業環境、精神的なストレスなど、 目自体に原因がある場合や目以外に原因がある場合などのさまざまな要因が絡み合って起こります。 その対処法も老眼鏡を作ったり、日常生活を工夫したり、それぞれの原因によって異なります。


日常的な目の悩みで多いのが、「目の疲れ」と「目の乾き」です。 こうした目の不快感は、老眼、作業環境、精神的なストレスなどのさまざまな要因が絡み合って起こるものが多くなっています。
「目の奥が痛い、目がショボショボする、目が重たい感じがする」など、目の疲れは不快なものです。 さらに、目の疲れが原因で「頭痛や肩こり、倦怠感」などの症状が引き起こされることもあります。 目の疲れを解消するには、何が原因で起こっているのかを知ることが大切です。


■目の疲れの原因

目の疲れは、実にさまざまな原因で起こります。

▼目自体に原因がある場合
遠視などの「屈折異常」「老眼」があると、 ピントを合わせるときに、通常よりも目に負担がかかるため、疲れやすくなります。 「度の合っていない眼鏡やコンタクトレンズ」を使った場合も同様です。 また、左右の目の視力に大きな差がある「不同視」や、 起床直後や長時間作業をしているときだけ斜視になる「外斜位」、 また、目の表面が乾く「ドライアイ」などの目の病気があると、疲れやすくなります。

▼目以外に原因がある場合
「過労」や「全身の病気」によって体力が低下していると、目も疲れやすくなります。 また、「うつ病」や精神的ストレスなどの心理的な要因によって、 目の疲れが強く感じられることもあります。 暗い部屋の中での読書や、長時間のパソコン作業など、作業環境や時間の長さが原因となることも少なくありません。

■医療機関で行われる検査

眼科では、一般的な目の検査を一通り行って、目の疲れの原因を探ります。 具体的には、屈折異常の程度を調べる「屈折検査」、目の調節力を調べる「調節検査」などが行われます。 さらに、使用中の眼鏡やコンタクトレンズの度が合っているかどうかをチェックします。 場合によっては視神経の働きを調べる「中心フリッカー検査」が行われることもあります。 また、ドライアイがあるかどうかの鑑別も重要になります。


■目の疲れの対処法

原因によって対処法は異なります。老眼の場合には新しく老眼鏡を作ったり、 眼鏡やコンタクトレンズ、老眼鏡の度が合っていない場合は、おおもとになっている病気の治療や、 精神的ストレスの解消などをして、原因をなくすようにします。 ただ、疲れ目を訴える患者さんの中には”近視で精神的ストレスが強く、老眼も始まってきている”など、 いくつもの要因が重なり合っている人が少なくありません。 また、原因を特定できないケースもあります。このような場合は、治るのに時間がかかったり、 治療そのものが難しいことがあります。


■日常生活の工夫

●作業環境の改善が大切。「過矯正」にも注意したい

目の疲れやドライアイを解消するには、作業環境の見直しも必要です。 読書やパソコン作業を長時間続けて行わない、ときどき休憩をとる、部屋の照明を明るくする、などです。 また、パソコンを使う人はディスプレイ(画面)の位置にも気を付けましょう。 周囲の光が映り込まないようにし、目線がやや下を向くようにします。 上向きの目線だと目を見開くため、どうしても目が乾燥してしまうからです。

●”見えすぎる”眼鏡にも注意

眼鏡やコンタクトレンズの度数が合っているかどうかも重要です。 見えにくい眼鏡はもちろん、実は、”見え過ぎる”眼鏡も目の不快感の原因になります。 一般に、眼鏡店でメガネやコンタクトレンズを買うときは、遠くまでよく見えるようにしたいと希望して、 度数を強めにしがちです。こうした「過矯正」の眼鏡は確かによく見えますが、 日常生活ではかえって目が疲れてしまいます。 眼鏡などは、定期的に度が合っているかチェックすることをお勧めします。