疲れ目・眼精疲労

疲れ目眼精疲労』は、目の周囲の筋肉、特に毛様体筋が緊張して柔軟性を失うことで起こりますが、 これが慢性化すると水晶体の厚みを変えられなくなり、ピントが合わなくなります。これが、近視や老眼の原因となります。 眼精疲労には、調節性眼精疲労・筋性眼精疲労・症候性眼精疲労・神経性眼精疲労の4つのタイプがあります。


■疲れ目・眼精疲労とは?

疲れ目は進行すると近視、老眼を招き、肩こりや頭痛を伴うことが多い

突然ですが、目の栄養は充分ですか?
長時間パソコンをしていたり、本を読んだり、縫い物をしたりしているとだれでも目がかすむ・・・ という経験をしていると思います。さっきまでは見えていた文字や柄が、一部だけ欠けて見えたり、 近寄らないと字と字の境目が見えなかったり・・・
もともと視力の悪い方はもちろんですが、視力が良い方でも関係なく訪れるいわゆる「疲れ目」。 しばらく休憩すれば治るからと放置していると、だんだんと悪化してやがては目の病気になってしまいます。 これが『眼精疲労』です。 緑の中で暮らしていた時代から、活字社会、そしてパソコン社会へと移り変わる中で、 自然では補えないほど目に負担がかかっているのが現状です。

現代人は、目に負担のかかる環境に囲まれて生活しています。パソコンや携帯電話などの電子機器、 空気を乾燥させるエアコンなどの普及で、疲れ目を訴える人が非常に増えているのです。 さらに、最近では疲れ目だけでなく「ドライアイ」に悩む人が急増しています。 ドライアイは、目の周辺の血流が滞り、涙腺の働きが不活発になって症状が現れますが、 同時に目の周辺の筋肉も柔軟性がなくなり、眼精疲労を進行させるのです。 また、日本人の半数以上は近視といわれ、年とともに必ず現れるのが「老眼」です。 これらの視力低下も、眼鏡をかけなかったり、合わない眼鏡を使ったりすることで、 眼精疲労を招くことがあります。

多くの人は、疲れ目を感じても軽く考えて、何の処置もしないで済ませています。 確かに初期の段階であれば、一晩眠ればすぐに回復するでしょう。 ところが、目に負担をかけ続けて眼精疲労になると、肩こりや頭痛など全身に不快症状が広がっていきます。 原因がわからなかった肩こりや頭痛は、眼精疲労から起こっている場合もあるのです。 また、眼精疲労は近視や老眼によって起こると述べましたが、逆に眼精疲労が近視や老眼を招く場合もあります。


■眼精疲労の4つのタイプ

老眼、車の運転、パソコンが症状悪化の引き金に!

一晩ぐっすり寝れば解消するような目の疲れならば、心配することはありません。 しかし、疲れ方が早かったり、回復のスピードが遅いといった場合は単なる疲れ目ではなく、 『眼精疲労』と診断されます。日頃自覚することが多い眼精疲労を分類すると、次のようになります。

▼調節性眼精疲労
ものを見るときに、水晶体の厚さを変えてピントを合わせる筋肉の毛様体筋、瞳孔(角膜に入る光の量を調節する) を広げたり、縮めたりする虹彩の働きが低下するため、目に疲労を感じます。 机仕事で細かな文字を読む・書くなど、近い距離を長く見続けることが大きな原因です。 特に40歳を過ぎて、老眼が進行し始めると、このタイプの眼精疲労が起きやすくなるといえるでしょう。 老眼の場合は近くにピントが合わせにくくなるため、自然と毛様体筋に負担をかけることになるのです。 具体的な症状としては、目がずっしりと重い、ずきずき痛む、急に遠くを見ようとするとすぐにピントが合わない、 といった症状が現れます。

▼筋性眼精疲労
車の運転などで激しく目を動かし続けることで、眼球を動かす筋肉に疲労が生じて起こります。 目のツッパリ感やズキズキした痛み、物が二重に見えるなどの症状が現れます。

▼症候性眼精疲労
結膜炎・角膜炎・白内障・緑内障など、目の疾患が背景にあって起こるものです。 目がしみる、かすむ、充血が取れないといった症状のほか、視野が欠けている場合は緑内障が疑われます。

▼神経性眼精疲労
眼球の異常ではなく、長時間のパソコン作業(光と色の刺激が強い)や精神的なストレスによる視神経の疲労から起こります。 目の疲れに加えて、イライラや不眠が続くケースも見られます。 こうした目の症状のほかに、眼精疲労が発端となって体のあちこちの部位に不満が現れることも多くあります。 例えば、肩こり、後頭部から首筋の痛み、片頭痛、頭全体の圧迫感、全身倦怠感、わけもなくイライラするなど・・・・・ 逆に言えば、こうした症状のみの治療を行っても一向に改善しない場合、眼精疲労の影響を考える必要があるでしょう。