O-157・虫歯・水虫などの有害な細菌の殺菌に『緑茶』
緑茶は殺菌効果が絶大で、 O-157などの食中毒菌、虫歯のもとになる歯周病菌・水虫やたむしの原因になる白癬菌などの有害な細菌の増殖を抑えたり、 死滅させたりする働きが認められています。
■緑茶の殺菌効果実験
実験では5時間でO-157が死滅した
『緑茶』には、食中毒菌や歯周病菌、白癬菌などの有害な細菌の増殖を抑えたり死滅させたりする働きが認められています。 例えば、食中毒菌として有名な病原性大腸菌O-157に対する緑茶の効果については、昭和大学医学部教授の 島村忠勝博士が行った実験があります。 実験では、生理食塩水、濃度が1.25%の緑茶、2.5%の緑茶、5%の緑茶の4つの液体にそれぞれO-157を加え、 菌の増減を観察しました。すると、5時間後には、生理食塩水以外の全ての液体でO-157が死滅したのです。 これは、緑茶に含まれるカテキンがO-157の細胞膜を破壊したためと考えられています。 また、緑茶の殺菌効果は、虫歯の予防・改善にも役立ちます。日本のある企業が、虫歯菌にふつうの濃さの緑茶を加える という実験を行ったところ、虫歯菌は1時間後に全て死滅しました。こうした、緑茶の殺菌効果は虫歯菌のみならず、 歯周病菌の撃退にも有効と考えられます。 ちなみに、緑茶には殺菌効果が大きいカテキン以外に、フッ素も含まれています。 フッ素は傷ついた歯の修復(再石灰化)を促して虫歯を防いでくれます。 緑茶を飲むときはカテキンやフッ素が歯全体に行き渡るように、10秒程度、口の中に含ませてから飲み込むといいでしょう。 また、緑茶をうがいに用いると、風邪やインフルエンザのウィルスを退治し、感染を防ぐ効果があることもわかっています。
●緑茶を入れた湯で行う足湯が水虫に有効
緑茶の殺菌効果は、「水虫」にも有効です。前述の島村博士が白癬菌にカテキン抽出エキスを3日間接触させる という実験を行ったところ、細胞膜の破壊が確認されました。 国立静岡病院では、水虫に悩む6人の患者に、緑茶を入れた湯で入浴させたり緑茶に浸した布で患部を拭いたりしたところ、 1~7週間のうちに白癬菌が消えたという臨床報告もあります。 水虫に悩む人は、緑茶の茶葉(10g程度)を綿の袋に入れ、洗面器に張った湯につけて足湯をするといいでしょう。
●その他
緑茶は寝たきりの人に起こる「褥瘡(床ずれ)」の改善にも効きます。 東京都農業試験場と日野市立総合病院の共同研究では、床ずれが起こった患部を濃いめの緑茶で1日1回洗浄したところ、 消毒薬を使った場合よりも回復が劇的に早まったことがわかり、実際に患者の治療に応用されています。