緑茶【健康長寿に】
ありふれた平凡な物事をあらわす「日常茶飯」という言葉があるように、私たち日本人は日々の暮らしの中で、
当たり前のように『緑茶』を飲んできました。
しかし、この身近な飲み物に、健康長寿を実現する非常に多彩な薬効が備わっているというと、
驚く人も多いのではないでしょうか。実は、最近の多くの新研究によって、緑茶に秘められたすごい健康パワーが続々とわかってきたのです。
『緑茶』には非常に多くの有効成分が含まれていますが、その中でも特に注目に値するのが「カテキン」です。
カテキンには、強力な抗酸化作用があり、活性酸素を強力に取り除きます。
また、カテキンには、動脈硬化を予防・改善する働きや癌細胞を自殺に追い込んで癌を予防・改善する作用、
白血球のうちB細胞を増殖させて免疫力を強める作用、O-157や虫歯菌、水虫菌など
人間に害を及ぼす細菌を死滅させる殺菌作用、風邪やインフルエンザのウィルスを排除する感染症の予防作用、
さらには高血圧の改善作用、脳梗塞や認知症(ボケ)の予防作用などがあり、カテキンの健康効果は枚挙に暇がありません。
■緑茶の薬効
健康効果が欧米でも注目を集めている
日本で緑茶が利用され始めたのは、一説には平安時代といわれています。 当初は、僧侶たちが薬として利用していたようです。実際に、緑茶好きで知られた平安時代の栄西禅師は、 当時の平均寿命が30歳だったにもかかわらず、75歳の長寿を全うしたことで有名です。 長い歴史を下ると共に、一般の人たちの間で緑茶が愛飲されだした背景には、こうした緑茶の健康効果が 広く知られるようになったことがあったと考えられます。 緑茶の健康効果は今、日本はもとより世界中で注目され、緑茶の輸出量は年々増加しています。 米国の国立癌研究所が、癌予防に効果のある食品を集めた「デザイナーズフーズ計画」で、 緑茶を抗癌食の上位にランク付けしたことが、注目を集めるきっかけになったようです。
■緑茶の優れた健康成分
多彩な健康効果を示すカテキン
緑茶には非常に多くの有効成分が含まれていますが、その中でも特に注目に値するのが「カテキン」です。
カテキンは緑茶の渋み成分で、赤ワインなどの色素成分として知られているポリフェノールの一種です。
カテキンと一言で言ってもその種類は多彩で、代表的なものに、エピカテキンやエピロガロカテキン、
エピガロカテキンガレートなどがあります。
カテキンに備わる最大の働きは、何といっても強力な抗酸化作用よる各種癌予防への期待です。
お茶に含まれるカテキンには4種類ありますが、中でもエピガロカテキンガレート(ECCC)
といわれるものが最も抗酸化力が強く、ビタミンEの200倍もあります。
癌や脳卒中をはじめとするさまざまな生活習慣病や老化の原因として、活性酸素の害が指摘されていることは
どなたもご存知かと思います。この活性酸素を強力に取り除く働きがあるのです。
また、カテキンには、血液を流れるLDL(悪玉)コレステロールを取り除くと同時に傷ついた血管壁を修復して、
心臓病や脳卒中など命に関わる病気を招く動脈硬化を予防・改善する働きがあります。
ほかにも、癌細胞を自殺に追い込んで癌を予防・改善する作用、白血球のうちβ細胞を増殖させて免疫力を強める作用、
O-157や虫歯菌、水虫菌など人間に害を及ぼす細菌を死滅させる殺菌作用、風邪やインフルエンザのウィルスを
排除する感染症の予防作用、さらには高血圧の改善作用、脳梗塞や認知症(ボケ)の予防作用など、
カテキンの健康効果は枚挙に暇がありません。
【関連項目】:『カテキン』
●その他の成分
緑茶にはカテキン以外にも多くの有効成分が含まれています。
甘み成分であるテアニン(アミノ酸の一種)、苦味成分であるサポニン、渋み成分であるカテキン(=ポリフェノール)。
さらに、カフェイン、フラボノール、フッ素、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンAなども豊富です。
例えば、テアニンによる高血圧や動脈硬化の予防、カフェインによる覚醒や疲労回復効果、
ビタミンCによるストレス解消、カテキンによる抗菌、抗ウィルス効果、フラボノールによる口臭抑制、
フッ素による虫歯予防。また、ビタミンC・E・Aは美肌・老化対策に役立つといわれており、
その健康効果は多岐にわたります。
- ▼カフェイン
- コーヒーに多いことで知られる苦味成分の「カフェイン」は緑茶にも多く、糖尿病を改善させたり、 脳や心臓の働きを高め気分をリフレッシュさせたりする作用があります。
- ▼テアニン
- アミノ酸の一種で、うまみ成分である「テアニン」には、気持ちをリラックスさせる働きがあり、 更年期障害や月経前症候群(PMS)によるイライラや欝、集中力の低下を改善する作用が認められています。
- ▼ビタミンC・E
- 「ビタミンC・E」は、カテキンと同様に活性酸素を排除するほか、美肌作りにも効果があります。
- ▼β-カロテン
- 「β-カロテン」には癌抑制作用のあることがわかっています。
- ▼フッ素
- 意外なところでは「フッ素」があります。 フッ素は緑茶に多く含まれていて、虫歯予防に大きな効果を発揮することが知られています。
- ▼ポリサッカライドなどの多糖類
- 「ポリサッカライド」などの多糖類には、高い血糖値を下げる作用があります。
- ▼γ-アミノ酪酸(ギャバ)
- 最近になって血圧効果作用が注目を集めている「γ-アミノ酪酸(ギャバ)」という成分も、 緑茶には多く含まれています。
このように、緑茶は文字通り「万能薬」といってもいいでしょう。 健康長寿の実現のためにこの薬効に富んだ長寿飲料を積極的に活用して欲しいと思います。
■メタボリックシンドロームと緑茶
近年、高血圧や糖尿病などの生活習慣病患者の増加が問題視されています。 特に成年男性では、「メタボリックシンドローム」への警鐘として、肥満対策が重要なテーマになっています。 太り気味の人が見逃せないのは、お茶に含まれるカテキン、テアニン、カフェインなどの相乗的健康効果です。 それらが協働して、食事で摂取した脂肪や糖分の消化・吸収を抑えて、体全体のエネルギー代謝を上昇させるため、 ダイエット効果が期待できます。