紅茶【高血糖対策に】
『紅茶』は、緑茶と同じようにツバキ科の茶葉から作られています。
緑茶が茶葉を蒸して作られているのに対し、紅茶は茶葉を完全に発酵させて作られています。
紅茶の独特の色や風味は、この発酵の過程で得られます。
こうした紅茶は、ヨーロッパでは「万病に効く神秘薬」として王侯貴族に珍重されていました。
そして近年、紅茶の研究が進んだ結果、紅茶にさまざまな薬効のあることが科学的にも裏付けられてきています。
紅茶は、血管の酸化を防いだり血糖値の上昇を防いだりすることから、糖尿病の予防と改善の妙薬として注目されています。
紅茶に含まれている「カテキン」には糖の吸収を緩やかにして、食後の血糖値の上昇を抑える働きがあり、
「テアフラビン・テアルビジン」には、体内でインスリンと似た働きをして、その作用を助ける働きがあります。
また、テアフラビンやテアルビジンには、他にも血栓の生成を抑え、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ働きもあります。
■紅茶の薬効
近年、紅茶の研究が進んだ結果、紅茶にさまざまな薬効のあることが科学的にも裏付けられてきています。 紅茶の薬効の中でも注目されているのが、「糖尿病の予防効果」です。
糖尿病は、血液中のブドウ糖の量を調節するインスリンというホルモンの分泌が悪くなったり、 その働きが不十分になったりして、血糖値が慢性的に高くなる病気です。 日本では、この糖尿病患者やその予備軍の人が急激に増えていて、現在大きな問題になっているのです。 紅茶の糖尿病を防ぐ働きは、主に「カテキン」、または茶葉を発酵する過程でカテキンが変化して作られる 「テアフラビン・テアルビジン」という紅茶特有のポリフェノールによってもたらされます。 そもそも、カテキンには糖の吸収を緩やかにして、食後の血糖値の上昇を抑える働きのあることが知られています。 そして、最近ではイギリスのダンディー大学神経科学研究所のグラハム・レナ博士らの研究によって、 テアフラビンとテアルビジンには体内でインスリンと似た働きをして、その作用を助けるという報告もなされています。
紅茶のテアフラビンやテアルビジンには、他にも血栓の生成を抑え、心筋梗塞や脳梗塞を防ぐ働きのあることが 実験で明らかにされています。米国のボストン大学の研究グループが行った実験では、狭心症や心筋梗塞の患者に 1日4杯の紅茶を1ヶ月にわたって飲んでもらったところ、血管が若々しくなって健康な人並みに血流のよくなったことが 報告されています。つまり、紅茶には糖尿病の発病も、その合併症である動脈硬化や脳梗塞・心筋梗塞を 防ぐ働きも備わっているのです。
■その他の有効成分
カフェインは糖尿病の危険因子の肥満も防ぐ
紅茶ポリフェノール以外にも、紅茶にはさまざまな有効成分が含まれています。 その中でも、特に注目したいのが「カフェイン」です。 カフェインには、心臓の働きを活発にして新陳代謝を促し、糖や脂肪の燃焼を高め、糖尿病の危険因子である 「肥満」を防ぐ効果が期待できるのです。ある研究グループが紅茶の肥満を予防する効果を証明する 次のような実験を行いました。その実験では、マウスをA群とB群の2つのグループに分け、A群のマウスには通常のえさと水、 B群には通常のえさと紅茶を与え、1年間飼育しました。その結果、紅茶を与えたB群の方が、 体重の増え方がA群に比べて2割も少なかったのです。 同時に脂肪の付き方を比較してみたところ、A群のマウスの肝臓周囲には脂肪がたくさん付着していましたが、 B群には全く認められませんでした。
カフェインのほかにも、疲労回復に役立つビタミンB群、抗酸化作用の強いビタミンE、血流を促すカロテンなどの ビタミン類が紅茶にはたっぷり含まれています。紅茶の糖尿病予防効果は、こうした有効成分が相乗的に働くことで得られると考えられています。