■有効成分を効率的に摂取する紅茶の飲み方

有効成分を十分に抽出するには、3分は蒸らす

上記のように、紅茶にはカテキンやテアフラビン・テアルビジンといった紅茶ポリフェノール、カフェインなど、 実に多彩な有効成分が含まれています。こうした有効成分が相乗的に作用して、糖尿病の予防や改善に 役立つと考えられているのです。こうした紅茶の薬効を十分に引き出すためにも、それらの有効成分を 茶葉からたっぷり抽出したいものです。そのためには、まず、沸騰直後の湯を使うことが大切です。 茶葉の有効成分の抽出量は、湯の温度が高いほど多くなるからです。 次に、ティーポットやティーサーバーに湯を注いだら、茶葉を3~4分蒸らすことも重要です。 3~4分蒸らせば、茶葉からお湯に十分な量の有効成分が溶け出ます。 それ以上は、どんなに時間を置いても抽出されません。 こうして紅茶を入れれば、実に美味しく、しかも有効成分を効率よく抽出して飲むことができます。


●粉寒天を入れると薬効がアップ

また、紅茶の糖尿病を予防する効果を手軽に高めるなら「粉寒天」を加えることが有効です。 粉寒天は、成分のほとんどが水溶性の食物繊維です。水溶性の食物繊維は、腸に到達すると水分を吸収してカサが増え、 食べすぎを防ぐと同時に、糖や脂肪の吸収を遅らせることができます。 また、腸の蠕動運動を活発にして、肥満の大敵である便秘の解消にも効果を発揮します。 こうした粉寒天の働きが加わることで、紅茶の血糖値を下げる効果や肥満を防ぐ効果が一段と高まるのです。 なお、粉寒天入り紅茶は食前に飲むと、満腹感が得やすくなり、食べすぎが抑えられます。


●紅茶を入れるときの注意点

紅茶を入れたり飲んだりする上で、いくつか注意すべきことがあります。
第一に、紅茶を入れるときに鉄製のポットを使うのはやめてください。 なぜなら、鉄分と紅茶の有効成分が結合し、香りや色が損なわれるからです。 陶磁器か銀製のティーポットやガラス製のティーサーバーで入れるといいでしょう。 第二に、紅茶の効果を十分に引き出すには、ミルクを加えるのは避けてください。 ドイツの病院が発表した研究報告によれば、紅茶にミルクを入れて飲むと、ミルクに含まれるカゼインという たんぱく質が紅茶のカテキンやテアフラビン・テアルビジンと結びついて、薬効が失われてしまうことがわかっています。 糖尿病予防のために紅茶を飲むなら、砂糖を加えることも避けたほうがいいでしょう。 こうしたことから、紅茶をふつうに飲むときはストレートかビタミンCの多いレモンやミカンの果汁を搾って 飲むようにしてください。飲む量は1日に3~4杯です。