高血糖対策・糖尿病予防に「緑茶」

最近の研究で、緑茶糖尿病の予防に一定の効果を発揮することがわかりました。 緑茶を多く飲む人は飲まない人に比べて糖尿病の発症率が3割りも低いことがわかりました。


■緑茶とコーヒーの効果

大規模調査で判明した緑茶とコーヒーの効果

現在、糖尿病患者は、予備軍を含めて1870万人いるといわれています。 糖尿病は動脈硬化の一因となるほか、失明や腎臓障害などの合併症を引き起こす怖い病気です。 糖尿病は、血液中の糖が過剰になる病気です。 カロリーや糖質の制限と併せて、適度な運動が不可欠ですが、血糖値を低く抑えてくれる食品を積極的に利用するのもいい方法です。 欧米ではすでに「コーヒーの摂取量が多い人は、糖尿病になりにくい」という研究結果が報告されています。 そこで、ある研究者がコーヒーや緑茶を飲んで糖尿病を抑えられるかどうかを見る試験を、 約17,000人を対象として、5年間にわたって行いました。

その試験では、まず、糖尿病や心臓病にかかったことのない健康な40~65歳の17,413人(男性6,727人、女性10,686人)を選出。 次に、コーヒーや緑茶を週にどれくらい飲むか、全員に質問し、その後、糖尿病と診断されたかどうかを申告してもらう、というものでした。 5年間の追跡調査中には、男性231人、女性213人の計444人から、糖尿病になったという申告がありました。 これらの444人を、質問の回答に沿って、緑茶やコーヒーをよく飲む人と飲まない人に分けて比較した結果、 緑茶を週1杯未満しか飲まない人たちの糖尿病の発症率を1とすると、1日に6杯以上飲む人は0.67で、発症率が3割以上も低く抑えられていました。 また、コーヒーを週に1杯未満しか飲まない人たちの糖尿病の発症率を1とした場合、 1日に3杯以上飲む人たちの発症率は0.58。実に4割以上も低く抑えられていることがわかったのです。


さらに、1日のカフェイン(苦味成分)の摂取量と糖尿病の発症率との関係についても分析すると、 1日のカフェイン摂取量が最も少ない(97mg未満)人の糖尿病の発症率を1とした場合、305mg以上摂取する人の発症率は0.67という結果が出ました。 特に、BMI(肥満度を表す指数)が25以上という太り気味の人ほど、発症率の低下が目立っているのです。 カフェインには、基礎代謝を高めるほか、脂肪を燃焼させる働きや、脂肪細胞を縮小させる働きがあることもわかっています。 このようなカフェインの働きによって、肥満が抑制されたために、糖尿病の危険度が低くなったのではないかと考えられます。

実際に、カフェインには
①基礎代謝を高める
②筋肉での脂肪燃焼を促す
③脂肪細胞を縮小させる
といった働きのあることがわかっています。
①~③のようなカフェインの働きによって、肥満が抑制されたために、糖尿病の発症率が低くなったと考えられます。

また、緑茶には何種類ものカテキン(色素成分の一種)が含まれていますが、その一つであるエピガロカテキンガレートには、 血糖値を調節するインスリンというホルモンを活発に働かせる作用が認められています。

調査結果から見ると、1日に飲む目安量は、緑茶なら6杯、コーヒーなら3杯。 食事の後やリラックスしたいときに緑茶やコーヒーを飲む習慣をつければ、比較的楽に達成できるでしょう。 もちろん、普段から高カロリーの食品や、糖分を摂り過ぎないようにすることも重要です。



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