めまいに「イチョウ葉エキス」

脳の血流を促し、神経の働きも高めるイチョウ葉エキスで、めまいが改善する人が増えています。 医師の調査では86%の人でめまいの症状が改善したと報告されています。 中でも、年をとってから起こる老人性めまいは、慢性化しやすい上に、従来の治療薬が効きにくいので非常に厄介ですが、 「イチョウ葉エキス」を使用し、老人性めまいが改善したという人が続出しています。


■内耳性めまい

脳の働きが低下して起こるめまい

私たちが体のバランスを保つ仕組みは、実に複雑です。 まず、目で見た情報、次に内耳(蝸牛・前庭器・三半規管からなる耳の器官)からの情報、 そして関節や筋肉に分布する神経線維からの情報が、信号として脳へ送られて、脳幹や小脳で統合・整理され、大脳に伝えられます。 その後、大脳から平衡の維持や正常な運動を行うための指令が、体の各器官に出されます。 そうやって初めて、私たちは体のバランスを保つことができるのです。 ところが、体のバランスを支える情報ネットワークのどこかが故障すると、平衡失調(体のつり合いが取れなくなること)が起こり、 めまいが生じます。

めまいには、大きく分けて2種類あります。一つは、周囲のものがグルグル回るように感じる「回転性めまい」。 もう一つは、体がフワフワと揺れるように感じる「非回転性めまい」です。 ある耳鳴り専門クリニックでは、訪れた患者のうち約6割は回転性めまいで、残り約4割が非回転性めまいだそうです。 患者の過半数を占める回転性めまいのうち、9割以上は、頚椎の横を通っている血管の血行不良により、 内耳の血流が低下して、何らかの障害が起こる「内耳性めまい」です。 以前は、回転性めまいといえば「メニエール病」 (内耳の神経を潤す内リンパ液の水圧が上がる病気。めまい・耳鳴り・難聴の3症状が同時に起こる)がその代表とされてきました。 しかし、実際には耳鳴りも難聴も伴わず、目が回るだけの内耳性めまいがほとんどなのです。 一方、非回転性めまいには、脳幹や小脳の障害によって起こる「中枢性めまい」のほか、 自律神経・血圧・頚椎・内分泌(ホルモン)の異常など、さまざまな原因で起こるめまいが含まれます。


●最近の傾向

自律神経失調症による内耳性めまい・老人性めまいが増加している

今までは、血流の低下が原因で起こる内耳性のめまいが圧倒的多数でしたが、最近は、自律神経失調症による内耳性めまいの人が増えています。 しかも、自律神経に関わる内耳性めまいは、女性の方が男性の約3倍も多いのです。 また、男性と女性では、自律神経失調症による内耳性めまいの出る年齢に大きな差があります。 女性の場合は50代後半~60代、男性の場合は30代が最も多くなっています。 女性の50~60代は、更年期の影響が残る年代であり、男性の30代は職場でのストレスが大きくなるときです。 そうしたことが原因で自律神経のバランスが崩れ、めまいが生じやすくなるのだと考えられます。 いずれにしても、自律神経に関わる内耳性めまいが進行すれば、治りにくいメニエール病になる可能性があります。 ですから、なるべく早く、脳の血流をよくする薬や自律神経の働きを正常化する薬を使って改善しなければなりません。

さらに、最近は60~70代の人に、「老人性めまい」も増えています。 老人性めまいは、初期に回転性めまいが起こり、次に、歩くときに不安定になったり後ろを振り向いたときにふらついたりするのが特徴です。 老人性めまいの原因として考えられるのは、脳の血行不良、内耳や脳などの神経系の老化による平衡感覚の乱れ、血圧調整能力の衰えなど。 このほか、高血圧や糖尿病・動脈硬化などの治療薬の副作用も原因になります。 高齢になってから起こるめまいは、脳の血流を増やす薬や自律神経を正常化する薬がなかなか効かないことが多く、 いったん回転性めまいが治まっても、足がふらつくとか頭が重いといった症状が長引いて、慢性化する傾向があります。


■イチョウ葉エキス

ほぼ全員の症状が改善

めまいの患者を年代別で見ると、以前は40~50代の人が多かったのですが、最近はだんだん高齢化してきています。 中でも、年をとってから起こる老人性めまいは、慢性化しやすい上に、従来の治療薬が効きにくいので非常に厄介です。 ところが、「イチョウ葉エキス」を使用し、老人性めまいが改善したという人が続出しています。
イチョウ葉エキスの粒食品を飲んでもらい、症状がどう変化するのかを調べた調査があります。 その調査では、体のふらつきと頭重感を訴えてきた高齢の患者15人(男性6人、女性9人、平均年齢74歳)に、 他の薬は一切止めて、イチョウ葉エキスの粒食品(1粒中にイチョウ葉エキスを40mg含む)を1日2回、朝夕2粒ずつ飲んでもらいました。 すると、2週間~2ヶ月でほぼ全員に症状の改善が見られたのです。 具体的には、ふらつきが改善したと答えた人が86%、頭重感が改善した人は90%近くに上りました。 また、めまいの症状である眼振(意思とは無関係に起こる眼球の往復運動)も、60%の人が改善していました。 さらに、44人(男性10人、女性34人、平均年齢65歳)を対象に行った2回目の調査では、1回目と同じく、きわめて良好な調査結果が出ています。


●血流をよくし、脳や神経の働きも高める

では、イチョウ葉にはどのような成分が含まれているのでしょうか。
イチョウ葉には100種類にも及ぶ成分が含まれると推測されています。 中でも、特に注目すべき重要成分は、 フラボノイド(植物に含まれる色素化合物)と テルペン類(芳香のある揮発性の油分)です。 この2つの成分は、血管の老化を予防し、脳の血流を促す働きが大変強力です。 イチョウ葉には13種類のフラボノイドが含まれています(成分全体の約24%)。 とりわけイチョウ葉のフラボノイドは、他の植物に比べて、抗酸化力が数倍も強いとされています(成分全体の約6%)。 一方、テルペン酸のギンコライドA・B・Cとビロバライドは、イチョウ葉だけに含まれる貴重な成分です。 中でも、ギンコライドには、血小板活性化因子(PAF)の作用を抑える働きがあり、血液の粘り気が強くなったり血栓ができたりするのを防いでくれます。 こうしたイチョウ葉の有効成分が相乗的に作用し合うことで、さまざまな薬効が発揮されると考えられています。

めまいに関係するイチョウ葉エキスの主な働きをまとめると次のようになります。

  • 脳や抹消の血管を拡張し、虚血性疾患(血管に血栓が詰まって起こる病気)などの血流障害を改善する。
  • 脳や神経細胞の代謝を活発にする。
  • 活性酸素の発生を抑え、発生した活性酸素を除去する。 そして、活性酸素によって傷んだ脳や神経のリン脂質膜(細胞を保護する膜)を速やかに修復する。

なお、鎮痛剤(イブプロフェン、アスピリン)や抗血栓薬(ワーファリン)を常用している人は、一緒に摂ったとき、副作用が出る場合もあります。 事前に医師や薬剤師に相談してください。