イチョウ葉エキス
【物忘れ・ボケの防止に】

イチョウ葉エキス』は、脳の血流を促進することから、 記憶力向上・集中力向上・思考力向上などの健脳効果が認められており、 物忘れボケ、アルツハイマー症状などの老化現象の抑止に対しても、 有効であることがさまざまな実験で証明されています。 このような優れた働きのあるイチョウ葉エキスは、欧米では医薬品として用いられています。


■物忘れと認知症

急増する認知症患者

「人の名前が思い出せない」
「新しいことが覚えにくい」
など、年を取るにつれて誰もが悩まされるのが「物忘れ」です。 中には、それが「認知症(ボケ)」につながっていくのではないかと、不安を感じている人も少なくないでしょう。 実際に日本では、高齢化が進むとともに認知症患者も急増し続けています。 厚生労働省の調査によれば、2000年の時点で65歳以上の認知症患者は、同年齢以上の高齢者のほぼ7%、 約160万人に達しており、2010年には、226万人、2020年には292万人に達するといわれているのです。

だからといって忘れっぽい人が、必ず認知症になるわけでもありません。なぜなら、一般的に物忘れと呼ばれる症状は、 認知症とは異なるものだからです。物忘れとは一言で言えば、脳の老化の現われと考えればいいでしょう。 年をとるに伴って、脳の働きの一部が低下し、そのために自分の記憶の一部を引き出せない症状が物忘れです。 物忘れの人は、記憶力は低下しているものの、判断力については問題なく、自分で記憶力の低下を自覚できます (日常生活で支障があるわけでもありません)。好奇心や学習能力も旺盛なことが少なくありません。 一方、認知症というのは記憶と特に関係の深い脳の「海馬」という部位の障害で起こる症状で、 記憶力の低下を自覚することはありません。記憶力とともに、判断力や学習能力も著しく低下し、 やがて日常生活にも支障をきたすようになってきます。

このように、同じ記憶力の低下でも、物忘れと認知症では性質が異なっています。 ふつうの物忘れの場合には、それほど深刻に心配する必要はないかもしれません。 とはいえ、脳の働きをよくしたいというのは、誰にも共通する願いでしょう。 そこでまず考えたいのは、なぜ物忘れや認知症などが起こるのかということ。 脳の働きが悪くなる原因には、脳の血流低下が深く関わっています。 当たり前のことですが、私たちの体の働きは血液によって保たれています。 もちろん脳もその例外ではありません。脳は、体の中で最も大量に血液を必要としている器官。 脳の表面には、網の目のように微細な血管が張り巡らされ、わずかな時間でも血液の供給が途絶えると、 脳の働きは急に低下するのです。物忘れが進むのも実はこうした血液の供給不足が関係しています。 年を取ると誰もが動脈硬化などによって血管が狭くなります。そうして血流が悪化すれば脳の働きも低下し、 その結果、物忘れや認知症を進行させてしまうのです。


■イチョウ葉エキス

物忘れやボケが改善する人が続出

すでに述べたように脳の働きを高めるには、なによりも脳の血流を促さなければなりません。 そうした観点から最近、世界各国で大きな注目を集めているのが、「イチョウ葉」から抽出して作られた 『イチョウ葉エキス』です。イチョウの木は、2億5000万年ほど前に地球上に出現しており、 昔から生命力が旺盛なことで知られています。ヨーロッパでは、中世のころから、イチョウ葉がさまざまな薬効を持つ ハーブ(薬用植物)として用いられていました。さらに、20世紀に入ると、科学的な見地からイチョウ葉の研究が 行われるようになり、さまざまな実験が行われた結果、次のようなことが実証されました。

  • 認知症の進行を防ぐ働きがあること。
  • 健康な人が毎日飲んだ場合、記憶力や学習能力を改善し、認知症を予防すること。
  • 動脈硬化の改善に有効であること。
  • 詰まった血管を広げたり、血液をサラサラにしたりして血流を促すこと。
  • めまいや耳鳴りも改善させること。

●イチョウ葉の有効成分

イチョウ葉エキスに上記のような効果がある理由は、イチョウ葉だけが特別に持っている約30種類もの 「フラボノイド」(色素成分)と、「テルペンラクトン」とによります。 フラボノイドは葉に、テルペンラクトンは葉と根部に有しています。

フラボノイド
フラボノイドという物質は、植物に多く含まれてる成分のひとつなのですが、 イチョウ葉に含まれるフラボノイドは、他の食物由来のものとは異なった珍しい構造をしており、 これはイチョウ、イチイ、カヤからしか見つかっていません。 ヨーロッパ諸国では、約25年ほど前から脳機能障害の改善薬として関心を持たれていた成分です。 フラボノイドには、血管を拡張したり、傷んだ血管を修復したりして血流を促す働きがあります。 また、脳内に発生する活性酸素を抑え、動脈硬化の進行を防ぐ働きもあることがわかっており、 血管や血液に起因して起こる脳障害、循環器系の病気や症状、血圧の正常化などいろいろな病気に 優れた効果を発揮します。 特にイチョウ葉のフラボノイドは、他の植物に比べて、こうした血流改善効果が 数倍も強いといわれています。

▼テルペンラクトン
テルペンラクトンは、イチョウ葉特有の苦味成分で、「ギンコライド」「ビバライド」 で構成されています。ギンコライドには、血液が固まるのを防いでサラサラにする働きがあります。 また、脳の抹消血管の血流を促したり、活性酸素の発生を防いだりする働きのあることも確認されています。 つまり、脳の神経細胞の死滅を最小限に抑え、脳梗塞による血流障害や、脳血管性の認知症などの進行を食い止める 働きがあるといえます。一方、ギンコライドは、脳の情報伝達を担っている神経細胞を刺激する痙攣性物質の 働きを抑え、脳神経を正常に保つ働きがあります。

以上のようなイチョウ葉の有効成分によって、脳の血流は大幅に増加し、神経細胞の情報伝達の働きも活発になると 考えられています。このような優れた働きのあるイチョウ葉エキスは、1960年代にドイツで医薬品として採用され、 以後、脳梗塞の後遺症や脳血管性認知症などの治療薬として、あるいは物忘れやボケを防止する栄養補助食品として、 世界40カ国以上で愛用されています。 加齢による物忘れはもちろんのこと、脳梗塞の予防や治療後の再発防止、また、認知症の進行を防いだり改善したり するために、イチョウ葉エキスを試してみてはいかがでしょうか。


●イチョウ葉エキスの有効実験

日米独で行われたイチョウ葉エキスの有効実験

イチョウ葉エキスが脳の働きに有効であることを証明した実験が世界各国で行われています。
例えばドイツでは、脳の血流不足によって、認知症の症状が現れ、介護が必要になった人たちについての調査が行われています。 その研究では、31人に、イチョウ葉エキスを4週間利用してもらっています。 その結果、81%の人たちに活発さや会話能力の向上が見られるようになっています。 さらに、その中の74%の人たちは、日常生活の動作が活発になったり、それまでは人手のかかった介護の必要がなくなったりしているのです。

アメリカでは、日本でも急増しているアルツハイマー型認知症の患者を対象にした実験が行われています。 ちなみにアルツハイマー型認知症というのは、原因がよくわからないままに脳が萎縮し、認知症に陥る病気です。 この実験では、対象となった患者223人のうち、120人にイチョウ葉エキスが与えられ、それ以外の人たちには偽薬 (有効成分の入っていない薬)が与えられました。その結果、26週目の診断では、イチョウ葉エキスを与えたグループの 27%の人たちの記憶力・集中力・運動能力などが改善、さらに意欲の向上する傾向が見られたのです。

日本でも、イチョウ葉エキスの実験が行われています。 ある実験では、まず、メスのネズミにストレスを与え、さらに卵巣を摘出して閉経状態にしました。 すると、ネズミの記憶力は極端に低下し、そのネズミの脳の海馬の細胞の数を観察すると、 激減していることがわかりました。次いで、卵巣を摘出したネズミにエストロゲン(女性ホルモン)を補充すると、 記憶力は元通りに改善し、海馬の細胞の減少も防ぐことができました。 一般的に、女性は閉経して女性ホルモンが減少すると、記憶力が低下し、アルツハイマー型認知症の危険性が高まります。 つまり、卵巣を摘出したネズミは、アルツハイマー型認知症の前段階のモデルであると考えられるのです。 そして、この卵巣を摘出したネズミに、女性ホルモンの変わりにイチョウ葉エキスを投与したところ、 女性ホルモンを補充した場合と同じように、記憶力が元通りに改善し、海馬の神経の減少も防ぐことができました。


●イチョウ葉エキスを利用する上での注意

鎮痛剤(イブプロフェンアスピリン)や、抗血栓薬(ワーファリン)を常用している人は、 イチョウ葉エキスを併用すると副作用を起こす可能性があります。 また、ごくまれに胃腸障害やアレルギー症状が出ることもあります。 イチョウ葉には、皮膚炎などを引き起こす「ギンコール酸」という物質がもともと含まれています。 ギンコール酸は、イチョウ葉エキスを作る段階で、体に害のないように取り除かれるのですが、 出回っているイチョウ葉エキスの製品の中には、ギンコール酸の除去が不十分なものもある可能性があります。 特に、イチョウ葉のお茶は、ギンコール酸が除去されていないため、アレルギーがある人は注意しなければなりません。 イチョウ葉エキスを利用する場合には、有効成分の量などとともに、その点をよく確認するようにしましょう。