若年性認知症の予防
認知症は65歳以上の高齢者特有の病状ですが、 近年、40~50歳代の若さで発症する「若年性認知症」にかかる人が増えています。 最近のさまざまな研究から、食事などの生活習慣を見直し頭をよく使って 強い脳を作る生活をすることが、認知症の予防に役立つといわれています。
■若年性認知症は働き盛りの50歳代に多い
一般に、脳の発達が終わった20歳以降、64歳までに発症する『若年性認知症』は、 まだまだ働き盛りの50歳代がピークといわれています。 一方、65歳以上の高齢者に多い認知症は、脳が萎縮し脳機能が低下する「アルツハイマー病」と、 脳血管の詰まりや破れなどで脳の機能が低下する「脳血管障害」が主な原因になっています。 ところが、若年性認知症の場合、退行変性疾患の「ピック病」が原因の1/3程度占めると推定されています。
■ピック病
性格や行動に多くのマイナス面が現れる
「ピック病」は40~50歳代で発病することが多く、脳の前頭葉から側頭葉にかけて萎縮するといわれています。
アルツハイマー病や脳血管障害による認知症が、物忘れなどの症状から始まるのに対して、ピック病は性格や行動に異常が現れます。
それまで温厚だった人が「怒りっぽくなる」ようになったり、几帳面な人が「大まか」になったり、
「約束を破る」「同じことを繰り返す」「不潔になる」「相手を無視する」といった症状が目立つようになります。
その後は、記憶障害・言語障害などが現れて、重症化するといわれています。
認知症も他の病気と同じように、早期発見が予防・治療に非常に重要です。
性格の変化や異常行動などが目立つようであれば、早めに神経内科や認知症外来、
物忘れ外来などのある医療機関に相談してください。
■若年性認知症の予防
興味のわくことからトレーニングを始める
記憶はさまざまな種類に分けられ、その中に個人的な「体験の記憶」と、学習で得た「意識の記憶」があります。 認知症では特に、普通忘れにくいと思われる体験の記憶が低下します。 そのため、時間や場所を伴う体験の記憶を思い出すことを鍛えることが大切です。
その一例として、「回想療法」があります。 この療法は自分史を作ることで、過去に目にした懐かしい記憶を言語化し、大脳を活性化させるというものです。 あらゆる活動の基礎となる脳を、いつまでも健康に保つように工夫されている「ぬり絵」も、認知症の予防に効果があります。 また、認知症の改善策を読みながら、繰り返し実践するプログラムがあります。 いずれにしても認知症の予防・治療は、自分の興味のわくことから、トレーニングを始めることが長続きさせる秘訣です。
■認知症予防をサポートする成分
最近の認知症の研究で、強い脳を作ることが発症を遅らせ、予防できることがわかってきました。 強い脳を作るためには、野菜や果物、魚を積極的に摂る毎日の食生活が重要です。 緑黄色野菜などに多く含まれるビタミンC・E,β-カロテンなどの抗酸化ビタミンが認知症の予防に適しています。
また、脳機能の活性化を目的としたサプリメントなら効率よく成分の摂取ができます。
血流を促進する「イチョウ葉エキス」は、記憶力の改善などに有効です。
食物繊維が豊富な「ヤマブシタケ」や、ポリフェノールの「ジヒドロケルセチン」も
血流をよくすると言われています。
さらに、日本の伝統食となる米ぬかの成分の「フェルラ酸」は、認知症の予防に効果があることが
明らかになりつつあり、今最も注目されている成分です。
ほかにも、「EPA/DHA」は、昔から脳によい成分と知られ、最近では、
「ガングリオシド」や「ホスファジルセリン」なども認知症予防として注目されている成分です。
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