認知症の介護『介護保険制度』

認知症の人やその家族を社会的に支援するのが、『介護保険制度』と『成年後見制度』です。 介護保険制度をうまく利用して、時間、費用そして気持ちにゆとりを持ちましょう。


■訪問介護や通所介護など様々なサービスがある

介護保険制度は、介護が必要になっても自立して生活できるように、または従来通りの生活がなるべく長く続けられるように 支援する制度です。65歳以上の認知症の人や寝たきりの人、40~64歳で認知症を含む特定の病気によって 介護が必要な人が、各種のサービスを1割の自己負担で利用できます サービスには、いろいろなサービスがあります。ホームヘルパーや看護師などが自宅を訪問するサービス、 施設に日帰りで通ったり短期間宿泊するサービスなどのほか、車椅子などの介護・福祉用品のレンタルや購入費の助成などのサービスもあります。


■要介護の認定を受けケアプランを作成してから利用

介護保険を利用するには、まず市区町村の窓口に、本人や家族などが、申請を行う必要があります。 申請すると、まず、介護が必要かどうかの調査が行われます。 必要だとみなされた場合は、どの程度の介護が必要かを示す「要介護度」が決定されます。 要介護に応じて、介護保険を利用できるサービスや限度額は変わってきます。


■要介護度

要介護度は7段階あり、一般的には、次のようなことが基準となっています。

▼要支援1、2
一部の動作に介助が必要なものの、サービスを受けることで、日常生活を送る機能の維持や改善が見込める状態です。

▼要介護1
立ち上がったり歩いたりするときに、見守りや手助けが必要となる状態です。

▼要介護2
排泄や食事など、身の回りの行動の全般に対して、見守りや手助けが必要な状態です。

▼要介護3
身の回りの行動や立ち上がりが一人ではできず、全面的な介護が必要な状態です。

▼要介護4
日常生活を送るための機能がかなり低下して、全面的な介護が必要な状態です。 問題行動を起こしたり、理解力が低下していることもあります

▼要介護5
日常生活を送るための機能が著しく低下して、全面的な介護が必要な状態です 問題行動や理解力の低下が多くみられます。


要介護度の認定の後は、介護支援員(ケアマネジャー)によって、ケアプランが作成され、サービスが始まります。


●早いうちに一度体験しておく

通所介護やショートステイを利用する際には、環境の変化への対応が可能な軽症の間に利用し始めることで、 スムーズに導入することが可能です。介護サービスの内容を理解し、かかりつけ医と相談しながら、 適切なタイミングでサービスを受けることができるようにしましょう。 緊急に入所が必要な場合などは、認定結果が出る前に介護サービスを受けることも可能で、 認定結果が出た後に、その費用を届け出れば、保険が給付される払い戻しを受けられます。