認知症の種類

認知症」の種類には、主なものとして「アルツハイマー病」 「レビー小体型認知症」「脳血管性認知症」「前頭側頭型認知症」があり、 それぞれ治療法が異なるので、早期に診断を受け、原因を突き止めることが大切です。


■認知症の種類

『認知症』のうち、多いのは脳の変性や障害によるもので、 最も多い「アルツハイマー病」が全体の40~50%、「脳血管性認知症」「レビー小体病」がそれぞれおよそ20%を占めており、 この3つを「3大認知症」と呼んでいます。 この他にも、頭部に強い外傷や強い衝撃を受けたり、繰り返し衝撃を受け、その影響で認知症を起こすこともあります。 また、「薬物の副作用」や、何らかの病気によって、認知症のような症状が起こることもあります。 認知症には、さまざまな種類があり、それぞれ治療法が異なるので早期に診断を受け、原因を突き止めることが大切です。、


●アルツハイマー病

認知症全体の約半数を占めます。 病気の原因ははっきりわかっていませんが、脳に「アミロイド」の沈着がみられ、 大脳の神経細胞が障害されて、脳が萎縮します。 症状は、まず「物忘れ」から始まり、記憶障害、学習障害、などが徐々に進みます。 さらに症状が進むと、身体的な機能が衰えたり、人格の変化が起こったりします。

【関連項目】:『アルツハイマー病』


●レビー小体型認知症

最近の研究でわかってきたもので、「レビー小体」という沈着物質(蓄積)が 脳に広汎に現れるものです。病気の原因ははっきりわかっていません。 幻覚や妄想を起こしやすいのが特徴です。症状は「昨日は具合がよかったが今日は悪い」 というように、日によって変動します。また、身体症状として「歩きにくい」 「手が動かしにくい」など、パーキンソン病のような症状が出ることもあります。 物忘れも起こりますが、一般的には、アルツハイマー病に比べると、軽度です。

【関連項目】:『レビー小体型認知症』


●脳血管性認知症

脳梗塞や脳出血などの「脳血管障害」によって、脳の神経細胞が障害されて起こる認知症で、 物忘れのほかに抑うつや意欲障害などが起こりやすいのが特徴です。 何度か発作を繰り返すうちに、症状が重くなることもあります。
また、脳梗塞には、自覚症状が現れないものもあります(無症候性脳梗塞)。 そのような小さな脳梗塞が知らない間に繰り返し起こり、多くの神経細胞が障害されて、 認知症が起こる場合もあります。脳血管性認知症の1/3は、無症候性脳梗塞が原因となって いるというデータもあるので、注意が必要です。

【関連項目】 『脳血管性認知症』


●前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症は、脳の前頭葉や側頭葉の前方を中心にして委縮が起こる認知症です。 前頭葉が委縮すると”我が道を行く”ような言動が現れ、側頭葉が委縮すると「言葉の意味が分からなくなる」などの症状が現れます。 発症年齢はアルツハイマー型認知症に比べると若い傾向があります。

【関連項目】 『前頭側頭型認知症』


■薬の副作用による認知症

薬の副作用として、認知症のような症状が起こることがあります。例えば、抗不安薬、 抗うつ薬、睡眠薬など、中枢神経系に作用する薬によって起こる場合もあれば、 尿漏れの薬、胃薬などで起こることもあります。特に高齢者の場合は、多種類の薬を 服用していることも多く、同じ成分が重複したり、相互作用を起こすこともあります。 また、薬の成分を分解したり体外に排泄する肝臓や腎臓などの機能が低下して、 薬が体内に蓄積しやすくなります。