フェルラ酸【ボケ防止・アルツハイマーの予防に】
『フェルラ酸』とは米ぬか油から抽出されたもので合成物ではありません。 既存食品添加物リストに酸化防止剤として収載されたものであり、さまざまな安全性試験が行われました。 フェルラ酸は、ぬかとして除去してしまう米や小麦の糊粉層に100~400mg/kg含まれています。 フェルラ酸は、植物の細胞壁をつくりだす必須の物質として19世紀に発見され、 1980年代から健康分野で注目のポリフェノールの一種です。 現代人の食事で不足している「フェルラ酸」を、1日に100mg以上補給することが記憶力の維持に、 あるいはアルツハイマー病の予防のために必要不可欠です。
■「フェルラ酸」とは?
アルツハイマー病に効く米ヌカの新成分
日本人の主食である「米」を精白したカスとされている「米ヌカ」に、 「フェルラ酸」というアルツハイマー病を改善する成分が見つかり、注目されています。 フェルラ酸は、植物のポリフェノール(色素成分)の一種で、玄米や発芽玄米などの米ヌカの部分に、 1kg当たり100~400mg含まれています。しかし、ヌカを取り除いた白米や精白した小麦粉には、 フェルラ酸は全く含まれていません。玄米や分づき米(白米ほどは精白していない米)を食べていた昔の日本人は、 フェルラ酸を1日100mg摂取していたといわれます。しかし、精白した小麦粉で作ったパンや白米ばかりを食べている 今の人たちは、フェルラ酸不足に陥っている可能性が大きいと考えられるのです。 最近の日本で脳血管性認知症に代わってアルツハイマー病が多くなってきたのは、このような食生活の変化も影響しているように思われます。
●アルツハイマー病の原因
アルツハイマー病の原因は、まだはっきりとわかってはいませんが、おおむね、次のような経過をたどって進行していく
ということが判明しています。
まず、大脳の神経組織の一部が変化し、大脳皮質(脳の最も外側の部分で、前頭葉・頭頂葉・後頭葉・側頭葉から成る)
にβ-アミロイドという異常たんぱくが沈着します。次にこれが「老人班」と呼ばれる脳のシミとなって、
大脳全体に広がってきます。その結果、正常な神経細胞を傷つけ、脳の萎縮が起こります。
脳が萎縮すれば、脳本来の機能が果たせなくなり、見当識(時間や場所、周囲の人を正しく判断する力)
が失われていきます。その結果、認知症患者特有の「直前に食事したことを忘れる」「今、自分が何処にいるか、
わからなくなる」といった症状が起こってくるのです。
アルツハイマー病を引き起こすβ-アミロイドは、通常は体内の酵素によって分解されます。
しかし、年を取ると、この酵素の働きが低下していきます。その結果、中高年になるとβ-アミロイドが脳全体に広がり、
記憶力の低下やアルツハイマー病を引き起こすと考えられているのです。
●フェルラ酸は脳の神経細胞の死滅を防ぐ
米ヌカに含まれるフェルラ酸は、β-アミロイドが原因で起こる記憶力低下の作用を抑える働きがあり、 医学・薬学・栄養学の専門家は、アルツハイマー病の予防や改善が期待できると注目しています。 では、フェルラ酸はなぜ、アルツハイマー病に効果を発揮するのでしょうか。
理由の第一は、フェルラ酸がβアミロイドが原因で発症する毒物を分解する「ペルオキシダーゼ」
という酵素の働きを高めること。つまり、フェルラ酸が体内に豊富にあれば、働きの高まったペルオキシダーゼが
β-アミロイドが原因で発生する毒物を分解し、無毒化してしまうのです。
理由の第二は、フェルラ酸が脳の神経細胞の死滅を防ぎ、正常に保つこと。
大手食品メーカーと名城大学薬学部が共同で行った実験では、マウスの脳内に、β-アミロイドを注射すると、
記憶力や学習能力が低下しました。ところが、0.006%というごく微量のフェルラ酸を含む水を、
β-アミロイドを脳内に注射する前にマウスに飲ませておくと、記憶力も学習能力も低下しなかったことが確認されました。
つまり、脳内にβ-アミロイドが発生しても、体内にフェルラ酸が十分にあれば、β-アミロイドが原因で発生する
毒物が分解され、脳の神経細胞も正常な状態に保たれる、というわけです。
●フェルラ酸を使ったほぼ全員に効果が見られた
フェルラ酸は、病医院でも使われており、大きな効果を上げています。
一例をあげると、岡山県笠岡市にある「きのこエスポワール病院」では、アルツハイマー患者19人に、
フェルラ酸を抽出した粉末食品を6ヶ月間にわたって摂ってもらいました。
その結果ほぼ全員にアルツハイマー病の症状の改善が見られました。この中には、アルツハイマー病の薬が効かなくなっていた
患者もいたとのことです。さらに、フェルラ酸を摂った患者の家族からは、
「ほとんどしゃべらなかった人が、よくしゃべるようになった」
「笑顔を見せるようになった」
という声が多く聞かれたといいます。
他にも、フェルラ酸を使用している病医院からは、注目すべき報告が次々と発表されています。
アルツハイマー病は、発見も治療も難しい病気です。しかし、フェルラ酸はその予防と改善に大きな力になってくれるものと
期待されているのです。