アルツハイマー病予防に「ビタミンC」

近年「ビタミンC」の摂取が「アルツハイマー病」 の予防に効果的であることがわかってきました。 ビタミンCを摂取すると、その強い抗酸化力によって活性酸素の害を抑制されて脳に不要な物質がたまりにくくなり、 それがアルツハイマー病の予防に役立つのではないかと考えられているのです。 ある研究グループが、サプリメントでビタミンC・Eを摂取したグループと、摂取しなかったグループで アルツハイマー病の発症率を比較したところ、摂取グループの発症率は非摂取グループの発症率に比べて アルツハイマー病の発症率が78%も低かった、という結果が出ました。


■アルツハイマー病

病的な記憶障害

物を何処においたのかを忘れる。人の名前が思い出せないなど、ちょっとした物忘れは、年をとってくれば 誰にでも現れる症状です。いわば、老化に伴う脳の自然な衰えといえるでしょう。 ところが、日常の生活さえ正常に行えない病的な記憶障害が起こることがあります。 これが「認知症」です。 中でも、大脳が次第に萎縮していき、知的機能や生理的機能が著しく低下してしまう怖い病気が 『アルツハイマー病」』です。 アルツハイマー病の原因は、未だ解明されておらず、特効薬や治療法も確立されていません。


●認知症予防にビタミンC

ビタミンEの働きを助けるビタミンC

近年『ビタミンC』の摂取がアルツハイマー病の予防に効果的であることがわかってきました。 ビタミンCを摂取すると、その強い抗酸化力によって活性酸素の害を抑制することができます。 すると、脳に不要な物質がたまりにくくなり、それがアルツハイマー病の予防に役立つのではないかと考えられているのです。 また、同じく抗酸化作用の強い「ビタミンE」をビタミンCと併用して摂取すれば、 ビタミンEが活性酸素と闘い傷ついたとき、ビタミンCがそれを修復します。 ビタミンCとビタミンEの連携が、アルツハイマー病の発症を抑えるというわけです。

このことは、米国のジョンズホプキンス大学の研究グループが1995年から5年間にわたって行った、 ユタ州に住む65歳以上の4740人の追跡調査で明らかになりました。 調査では、サプリメントでビタミンC・Eを摂取していたグループと、非摂取のグループとに分け、 アルツハイマー病の発症率を比較しました。その結果、摂取していたグループのアルツハイマー病の発症率は、 摂取していなかったグループと比べて78%も低かったのです。 また、複数のビタミンを少量ずつ含むサプリメントを摂取したグループと、 どちらか一方しか摂取しなかったグループとで比較した結果、アルツハイマー病の発症率に差が見られなかったことも 報告されています。