ビタミンE

ビタミンE』は、これまで存在は知られているが、不妊や老化予防に効果があるとわかっていたくらいで、 その本来の機能はなぞに包まれていました。しかし、ビタミンEには抗酸化作用があることがわかり、 そのため、老化を防ぐビタミンといわれていた裏づけが明らかになりました。 現在、ビタミンEは「健康ホルモン」とも呼ばれ、一躍脚光を浴びています。 ビタミンEは、血行を促進したり、ホルモンバランスを整えるなど、健康を守る上で重要な役割を担っていますが、 同時に「活性酸素」を撃退する抗酸化作用も発揮していることが明らかになってきました。 生体の細胞膜には不飽和脂肪酸が含まれていますが、不飽和脂肪酸は不安定な構造をしており、活性酸素の攻撃を受けやすいのです。 ビタミンEはとくに、この不飽和脂肪酸の酸化を防ぐために力強く働いていることがわかってきました。


■「ビタミンE」とは?

強力な抗酸化力で活性酸素を撃退

細胞にある不飽和脂肪酸が、活性酸素により酸化されて過酸化脂質に変化すると、身体の機能が低下して老化現象が起きたり、 異常細胞を作って病気を引き起こしたりします。 この活性酸素に対抗する抗酸化栄養素の代表選手がビタミンEで、細胞膜の被害を最小限に抑える働きがあります。 ほとんどの生活習慣病の予防・改善に有効と言われています。昔は、高脂血症の治療薬として第一選択薬でもあったそうです。 血中の過酸化脂質の量は、なんと40歳を過ぎると急増するそうですから、しっかりビタミンEを意識して摂取するようにしたいものです。

また、血液をさらさらにする、悪玉コレステロールを除去して血管を掃除する、 善玉コレステロールを増やすなどの動脈硬化への効果や、血行を良くして冷え性、肩こりへの効果もあります。 さらに、妊娠しやすくなったり、更年期障害への効果や、アルツハイマーへの効果もあるとの研究結果も。 肌のトラブルへの効果もあり、女性にとって強い見方ですね。

つい先ごろまで、ビタミンEの必要量は明記されていませんでした。 しかし、最近は、ビタミンEは老化を抑えるビタミンとして関心が高まり、ビタミンE強化食品や薬品なども登場するようになり、 よりたくさん摂ろうと心がけている人が増えています。 しかし、ビタミンEは摂り過ぎても、体にメリットはありません。 ビタミンEは自らが酸化されることによって活性酸素の働きを抑え安定させるのですが、 ビタミンEが多すぎると酸化したビタミンEが体内に多くなり、この酸化ビタミンEが、そのまま残っていると、 かえって体を攻撃する悪役になりかねないからです。 しかもビタミンEは水溶性ではないため、汗や尿に解けて体外に排出されることはありません。 つまり、摂りすぎたビタミンEは長時間体内にとどまってしまうのです。 しかし、ビタミンCを多く摂るようにすれば、過剰なビタミンEが体を傷つけることを防いでくれます。 つまり、ビタミンEとビタミンCはできるだけ同時に摂るようにすればよいのです。 過剰なビタミンEが体を傷つけるのを防ぐには、ビタミンCを一緒に摂取するのが効果的です。

マルチビタミン・ミネラル剤にはもちろん含まれています。天然もののほうが、 合成より2倍近く効果があるとも。天然ものは、d-αトコフェロール、合成はdl-αトコフェロールなので、 パッケージの表記で確認してください。

・一日の所要量:10mg
・栄養機能表示:上限値150mg、下限値3mg
・所要量を満たす食品の例:コーン油大さじ5杯
・サプリメント含有量の例:50mg


●ビタミンEを多く含む食品

ビタミンEは植物性の油などに豊富に含まれています。
また、魚介類などにもビタミンE含有量の多いものがあります。

【植物性油脂類】
小麦胚芽油、大豆油、コーン油、菜種油、マーガリン
【種子類】
ピーナッツ、アーモンド、ヘーゼルナッツ、ひまわりの種
【魚介類】
タラコ、うなぎ、スジコ、アンコウの肝、ヤツメウナギ、カツオ、ホンマグロ、サバ、サンマ、アジ
【その他】
ラード、牛肉