体を温める食品「陽性食品」で低体温を改善する

ショウガやニンジン、黒豆など体を温める『陽性食品』を常食することで、 低体温を改善することができます。


■食生活

過食を防ぎ少食を習慣化することが肝心

低体温を招くさまざまな要因の中でも、とりわけ大きな比重を占めているのが、現代人の偏った食生活です。 そして、食生活の問題点で、まず注意すべきは「過食」です。 必要以上の量を一度に食べると、それを消化・吸収するために、胃腸に大量の血液が送り込まれます。 そのぶん、産熱量の多い筋肉や脳への供給が減ってしまうため、体温は下がるのです。 食べ過ぎると急に眠くなったり疲れがどっと出たりすることがありますが、その理由はこうした血液配分のアンバランスにあるのです。 反対に少食にすると、消化器官は休息し、その代わりに排泄器官が活発に働き、排便や排尿、発汗が促され、 体内の毒素も排出されます。そうなると体の新陳代謝が活発になり、血流もよくなって体温が上がっていきます。


●陽性食品と陰性食品

体を温める食べ物を積極的に摂る

また、少食に加えて実行したいのが、体を温める食べ物を積極的に摂ることです。 東洋医学では、体を温める働きのある食品を「陽性食品」、反対に冷やす働きのある食品を「陰性食品」 と呼びます。そしてふだんから陰性食品をよく食べる人は体が冷え、低体温を招くと考えられています。 下に示した代表的な陰性食品を見ると、「水分が多く柔らかい食品」「色が白っぽい食品」「生野菜」 「南方産または夏が旬の食品」という特徴を持つことがわかります。 実際、若い世代の人たちは、表に上げたような菓子類や清涼飲料水、フルーツを好む傾向があり、 またダイエットを目的に生野菜サラダを主食代わりにしている若い女性も目立ちます。 こうした陰性食品の多食や清涼飲料水の飲みすぎは体のひえに拍車をかけ、低体温を招く重大原因になるのです。

そこで、低体温の恐れがある人は、体を温める陽性食品の常食を心がけてください。そのさい、「水分が少なく硬い食品 (ニンジン、ゴボウなど)」「色が濃い食品(黒豆、黒ゴマ、紅茶など)」「北方産の食品(ソバ、サケなど)」 が陽性食品を選ぶ目安になります。 なお、もともと陰性食品であっても、加熱や塩漬けにすることで陽性食品に変えることができます。 例えば、レタスやキャベツ、大根などの生野菜は、煮たり炒めたり、漬物にしたりすれば陽性食品に変わります。 また、スイカやトマトなどの陰性食品は、少量の塩を振り掛けると陰性の性質が弱まります。

▼陽性食品
根菜類(ゴボウ・ニンジン・レンコン・ヤマイモ・ショウガ・ネギ・タマネギ・ニンニク)、 黒豆、小豆、海藻、天然塩、梅干、味噌、醤油、たくあんなどの漬物、チーズなどの発酵食品、 赤身の肉、卵、魚介類、紅茶、赤ワイン、日本酒、梅酒、焼酎お湯割り

▼陰性食品
白パン、菓子類、牛乳、バター、酢、豆腐、化学調味料、マーガリン、白砂糖、植物油、トマト・ キュウリ・レタスなどの生野菜、バナナ・パイナップル・ミカン・マンゴー・レモン・スイカ・メロン、 水、清涼飲料水、コーヒー、緑茶、ビール、ウィスキー

●ショウガ飲料

短時間で低体温が解消

され、陽性食品の中でも、特にショウガは体を温める働きが強力です。ショウガの体温上昇作用や血流促進作用は これまでに行われた実験でも確認されています。これは、ジンゲロールやガラノラクトンなどの有効成分の働きによるもの と考えられています。そして、しょうがのお勧めの摂り方として、「黒糖入りショウガ湯」と「ショウガ紅茶」があります。 黒糖には、内臓や細胞組織の働きを活発にさせるミネラルが豊富に含まれています。 また、紅茶は陽性食品で利尿作用もあり、体内の余分な水分を排出して体の新陳代謝を高めます。 黒糖入りショウガ湯とショウガ紅茶は、体温が低くなっている朝の起きがけにカップ1,2杯飲むのが基本ですが、 飲んだ直後に体が温まってくるのを実感できるでしょう。冷えのひどい人は1日に何杯飲んでもかまいません。 飲み始めて1、2週間ほどで低体温が改善されます。 筋力運動とショウガ飲料を毎日の習慣にしたことで、血圧値や血糖値が正常値に戻った、腰痛や整理通が和らいだ、 という人が大勢います。