黒豆で低体温を改善する
高血圧患者に1ヶ月間黒豆の煮汁を飲んでもらう試験を行ったところ、 約9割の人の血圧がわずか1ヶ月で大幅に改善しました。
■黒豆の降圧効果
最大血圧が80mmHg下がった人もいる
平熱が36.5℃未満の低体温に悩む人が女性を中心に増えており、この主な原因として、血液の汚れと滞りが 考えられます。通常、血管の中を通る血液はサラサラと流れています。ところが、過食や変色、運動不足などが続くと、 血液中に糖や脂肪がだぶつき、赤血球・白血球・血小板といった血液成分の粘着度を高めます。 これによって血流が滞り、体温の低下を招いてしまうのです。 このような状態を改善するには、まず、食生活を改善することが必要になります。
血液をサラサラにして血流を改善するといわれている食品は数多くありますが、 私たち日本人が昔から食べている食品の中で、血流促進作用があるという点で特に優れているのは『黒豆』 だといわれています。実際、ある医師が、高血圧患者に黒豆の煮汁を1ヶ月間飲んでもらう試験を行ったところ、 約9割の人の血圧がわずか1ヶ月で大幅に改善した、という結果が出ています。 その調査の対象となったのは30~90代の男女31人で、試験前の平均血圧は、最大血圧が174mmHg(正常値は130mmHg)、 最小血圧が106mmHg(正常値は85mmHg未満)でした。 そして、試験の開始日から毎日300~400mlの黒豆の煮汁を飲んでもらったところ、1ヵ月後の平均血圧は、 最大血圧が135mmHg、最小血圧が81mmHgまで下がっていました。 また、この試験では、黒豆の煮汁を飲み始めてからわずか2週間で、最大血圧が220mmHgから138mmHg、 下がりにくい最小血圧も115mmHgから80mmHgへと著しく下がった人がいました。
●黒豆に含有される有効成分
黒豆は煮汁で摂れば成分の吸収がいい
上記のように、黒豆が降圧薬並みの効果を発揮した理由は、黒豆に含まれる多彩な有効成分にあります。 黒豆に含まれる主な成分には次のようなものがあります。
- ▼カリウム
- カリウムには、細胞内の余分なナトリウムを追い出し、尿として排出する働きがあるので、 過剰な塩分摂取による血圧の上昇を防げます。なおカリウムの1日の必要量は2~4gです。 黒豆には100g中に約2gのカリウムが含まれているので、これを煮汁などで摂れば、 1日分の5割近くを補えます。残りは野菜や果物などの副食から十分に摂れるでしょう。
- ▼リノール酸
- 黒豆に含まれているリノール酸は、体内でアラキドン酸に変化します。 そして、アラキドン酸に酵素の働きが加わると、血管を広げて血液の粘着度も下げるプロスタサイクリンという 物質が作り出されます。
- ▼アントシアニン
- 活性酸素を消去する働きが強い抗酸化成分で、動脈硬化の進行を防ぎます。 また、腸から脂肪が吸収されるのを抑える作用もあります。
- ▼レシチン
- 血液中の悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあり、動脈硬化を抑制する上でも有効です。
- ▼大豆オリゴ糖
- 糖類の一種で、腸内の善玉菌を増やして腸の働きを活発にします。 その結果、余分な脂肪が体外に排出されます。
- ▼食物繊維
- 中性脂肪やコレステロール、過酸化脂質を腸で吸着して体外へ排出する働きがあり便秘の解消にも有効です。、
- ▼イソフラボン
- 黒豆には女性ホルモンによく似た働きをするイソフラボンが豊富です。 女性は更年期を迎えると、女性ホルモンの分泌量が低下しますが、イソフラボンはその代役として 血液中に悪玉コレステロールが増えるのを抑制してくれます。
このほかにも、黒豆には糖や脂肪の燃焼を促すビタミンB群、血糖値を下げるトリプトシン・インヒビター、 筋肉を増やして基礎代謝を活発にする大豆たんぱくなども含まれています。 ふだんの食事に黒豆を積極的に取り入れれば、血液はサラサラと流れるようになり、高血圧ばかりか低体温の改善にも 役立つはずです。なお、黒豆は成分の吸収率を高めるために、煮汁で飲む方が適しています。 1日に3回、1回に200mlづつ飲むのが目安です。