腸内細菌と腸内環境との関係
「たかが便秘」と侮ってはダメ!便秘は腸内環境悪化のサインで、できるだけ早く解消することが必要。
■便秘は全身に健康被害を及ぼす
便は腸の状態を示す鏡です。便が臭い、色が黒っぽい、硬い、便秘や下痢が続く、または便秘と下痢を繰り返すといった症状のある人は、 腸内環境が悪化しているサインといえます。腸内環境の悪化によるトラブルの中でも、代表的なのが便秘です。 「日本人女性の半数は便秘の経験がある」といわれるほど、便秘は多くの女性が悩まされるトラブルです。 高齢になると腸の働きが低下するため、男女を問わず高齢者にも便秘は多く見られます。 便秘が続くと、お腹が張る、お腹が痛い、おならが増える、吐き気がするなどの不快症状だけではなく、 全身に様々な悪影響を及ぼします。
便秘になると、便が腸内に長くとどまるうちに腐敗し、アンモニアや硫化水素、メタン、活性酸素、発癌物質などの有害物質や 有毒ガスが発生します。これらの有害物質は、血液中に吸収されて全身を巡り、さまざまな不調を引き起こします。 有害物質が肌に影響すると肌荒れや吹き出物が出ますし、口臭や体臭の原因にもなります。 さらに、有害物質が自律神経の働きを乱して、頭痛、肩こり、めまい、イライラや不眠をもたらすこともあります。 大腸癌など深刻な病気と便秘との関連も指摘されています。まさに便秘は美容と健康の大敵。 「たかが便秘」と甘く見ずに、できるだけ早く解消することが大切なのです。
■腸内環境の改善は現代人に共通のテーマ
食事内容の欧米化や運動不足、ストレス、不規則な生活などの影響で、現代の日本人は昔の人たちよりも腸内環境が悪化しやすい 状況にあります。その証拠の一つが、 大腸癌の急増です。 日本の大腸癌の死亡者数は、1950年から2000年までの50年間で、男性は10.9倍、女性は8.4倍にも増えています。 癌の部位別死亡数で見ると、現在、女性では第1位、男性では第3位が大腸癌で、男女ともに注意すべき怖い癌となっています。
大腸癌は、動物性脂肪や動物性タンパク質(肉類や乳製品など)の多い食事、砂糖の摂り過ぎなどが危険因子。 こうした食事内容は、実は腸内環境を悪化させる食事でもあるのです。 悪玉菌の大好物は、タンパク質や脂肪を腐敗させて、さまざまな有害物質を作りだし、腸の働きを低下させて便秘を起こしやすく します。悪玉菌にとって棲みよい環境は、善玉菌が繁殖しづらい環境なので、腸内環境はますます悪玉菌優性へと傾いていき、 便秘も慢性化してしまうのです。腸内環境が悪化すると、感染症や癌などの病気から体を守る免疫力にも悪影響を及ぼします。 腸管は、全身の60~70%の免疫細胞が集中する人体最大の免疫器官です。善玉菌には腸管免疫の働きを活性化させたり、 腸内の病原菌や有害菌の繁殖を抑えたりするなど、免疫力を高める働きがあります。 ところが、悪玉菌が増加して腸内環境が悪化すると、免疫力も低下してしまうのです。
このように見てくると、腸内環境を改善して腸を元気に保つことは、便秘の人に限らず、健康寿命を延ばしたい現代人に共通する 重要なテーマであると言えるでしょう。
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