【質問】

高血圧があると、他に心臓の病気がなくても心不全を起こす可能性はあるのでしょうか?
●36歳・男性


【答】

その可能性は十分にあります。血圧が高いと、心臓はその圧力に負けないように血液を送り出さなければならないため、心筋に負担がかかります。 この状態が長く続くと、心筋が肥大してきて、心不全を発症することがあるのです。 高血圧が原因となって 心筋梗塞不整脈などを引き起こし、 そこから心不全を発症するケースもありますが、心筋梗塞が起こらないまま心不全に至ることは珍しくありません。 特に高齢者では、このようなあケースが増えています。 心不全はステージA~Dの4段階に分類されますが(下図参照)、ステージAは心不全の危険因子だけがある段階です。 高血圧は、この危険因子の代表的なものです。高血圧や糖尿病、 動脈硬化性疾患などの危険因子をそのままにしていると、心臓病が起こった状態であるステージB、 そして本格的な心不全を発症した段階であるステージCやDへ進行しやすくなります。 心不全に至らないよう、今の段階から高血圧をしっかり治療してください。

心不全の4つのステージ

(この答えは、2020年3月現在のものです。医療は日々進歩しているので、後日変わることもあるのでご了承ください。)