肝硬変

肝硬変は、高い頻度で肝臓癌が発生します。


■肝硬変の症状と特徴

何らかの理由で肝臓が障害され、肝細胞が壊れると、肝臓に線維が増えて硬くなります。 この際、肝細胞の構成が変化し、再生結節と呼ばれるゴツゴツとしたしこりができるようになります。 この状態が進むと、肝臓に血液が流れにくくなるため、酸素や栄養素が不足し、血液の循環障害も起こり、肝臓の機能自体が果たせなくなっていきます。 早期からだるさを感じる人はいますが、ほとんどは自覚症状がありません。 肝細胞が壊れていても、残った細胞がカバーする代償能の機能があるためです。検診で初めて肝硬変が見付かる場合も多くあります。 そして代償しきれない時期(非代償期)に入ると、さまざまな症状が現れてきます。

▼黄疸
皮膚や白目が黄色くなり、肌がくすみ、尿が褐色を帯びてきます。

▼クモ状血管腫
胸や肩、二の腕などにクモ状の赤い斑紋が現れます。

▼女性化乳房
男性に特有の症状で、乳房や乳首が大きくなります。

この他にも、手のひらが赤くなったり、皮下出血、鼻血、歯肉の出血などが起こったり、腹水、むくみ、脾臓の腫れ、 肝性能症(うわごと、意識障害、興奮、錯乱、傾眠、異常行動など)、が現れることがあります。 肝硬変になると、高い頻度で肝癌が発生します。 肝臓の機能が著しく低下し、消化管出血(食道胃静脈瘤など)、出血傾向、腎不全などを引き起こして肝不全になる場合もあります。


■肝硬変の原因

C型肝炎から起こる肝硬変が最も多く75%を占めます。10%はB型肝炎から、10~15%がアルコール性肝障害から起こっています。 最近では脂肪肝から肝硬変に至るケースも増えています。 その他、自己免疫疾患や代謝異常による疾患、寄生虫症、薬剤性肝障害、うっ血肝などから肝硬変になることもあります。


■肝硬変の治療

肝硬変は、一度発症すると元に戻すことはできません。 現在では、日常生活をコントロールしながら、腹水、食道静脈瘤、肝性脳症などの合併症状に対する対症療法を行い、 代償期の状態に戻すことを目的に行うのが主流です。 C型肝炎による肝硬変は、インターフェロン療法で肝機能の値を下げ、肝癌への進展を止められることがわかってきました。 また、自己免疫性疾患による肝硬変は、ステロイド薬で線維化した組織が改善されます。 日常的な注意としては、バランスのとれた食事を心がけましょう。 ウィルス性肝炎におる肝硬変の人、腹水のある人は、塩分を1日に5~6gに制限すること、 肝性能が起こっているときは、たんぱく質を40~50gに制限することなどが必要です。 飲酒は禁止です。また、糖代謝やアミノ酸代謝を円滑にするため、適度な運動も欠かせません。