降圧剤(薬)をやめる④「薬をやめる4週間ルール」
加齢とともに血圧が上がるのは自然現象! 「薬をやめる4週間ルール」で降圧剤を断ち切りましょう。
●降圧剤を飲むのは、体には余計なお世話
あなたは、血圧が上がることを、とても重大な病気のように考えてはいないでしょうか。 実は、血圧が上がることは、それほど恐ろしい事態ではありません。 ことに、加齢とともに血圧が上がるのは、自然な現象といってもいいのです。 年とともに、私たちの血管は細くなり弾力も低下していき、その分だけ血液を押し流す圧力も高くなります。 そうしないと、血液がスムーズに流れないからです。 つまり、加齢とともに血圧が上がるのは、むしろ私たちの体が血流をスムーズに保とうとする適応反応なのです。 ですから、血圧が高くなった時に降圧剤を飲むというのは、体からすれば「余計なお世話」です。
ところが、現代の日本では、こうした場合にも、「血圧を下げなさい」の一点張りです。
65歳未満の人は、最大血圧を129ミリ以下、最小血圧を84ミリ以下に、65歳以上の人は、最大血圧を139ミリ以下、
最小血圧を89ミリ以下にしなさいとしています。これは、「国際高血圧学会」の基準でもあり、
WHO(世界保健機構)もお墨付きを与えています。
この根拠は、「血圧を下げたほうが心筋梗塞になる確率が少なくなる」というものです。
確かにその通りではあるのですが、これはあくまでも心筋梗塞が発症する確率であって、死亡率ではありません。
この根拠には、次のような但し書きが必要です。
「血圧を下げたほうが、心筋梗塞になるリスクは減るが、トータルでは死亡率(癌をはじめとするすべての原因を含む)が高くなる」
もともと、血圧が高くても何の問題もない高齢者に降圧剤を処方し、無理やり血圧を下げるとどうなるでしょうか。
血流、ことに肝心の毛細血管の血流が悪くなり、栄養素の取り込みも老廃物の排出も滞ります。
自己治癒力も、みるみる低下していきます。
そのため、血圧が高めでも元気だった人が降圧剤を飲むと、逆に調子が悪くなることがよくあります。
それどころか、脳の血流が悪くなり、認知症が進んだケースもあるのです。
ですから、多少血圧が上がっても、あわてて降圧剤を飲む必要はありません。
最大血圧が200ミリ以下を保っている限りは、「体が血流を調整しているからだ」と考えればよいでしょう。
具体的な数値には個人差がありますが、基本的には、最大血圧が130~160ミリくらい、最小血圧が80~100ミリくらいで、
多くの方が落ち着いており、調子もいいようです。
■薬のいらない体を作ることが基本
ただ、薬をやめる際には、一気に薬を断ってはいけません。 まず、薬に頼らずに血圧を下げるような生活習慣を心がけることが大切です。 血圧が上がってしまう原因が、あなたの生活習慣の中にあるはずです。 その要因が何なのか考えてみましょう。思い当たる要因があるなら、第一にそれを改善する必要があります。 一般的には、よく体を動かすこと、バランスよく食べること、ストレスを上手に解消することなどが大切です。 生活習慣を見直し、自助努力を続けながら、薬を少しずつ減らします。 薬を減らす方法は、次の「薬をやめる4週間ルール」を参考にしてください。
第一週目は、まず薬の量を半分にして様子を見ます。最も注意が必要なのが、この第一週です。 薬の種類やその人の服用期間、症状の度合いによって、この半減の段階に、2~3週間かかる場合もあります。 体調が悪いなら、必ず時間をかけてください。自分の体調と相談しながら、焦らず、ぼちぼち行うことが肝心です。 そして、この半減をクリアすることができれば、おおむね離脱は成功といえます。
第一週目で何も不具合が起こらないようなら、第二週目に薬の量をさらに半分、つまり、元の量の1/4に減らします。 第二週目も不具合が起こらないようなら、第三週目はさらに半分の量(元の量の1/8)に減らします。 これで問題がなければ、第四週目では、さらに半分の量(元の1/16)へと順次減らしていきます。 ここまで行って何も不具合が起こらなければ、第五週目以降で薬を完全に止めることになります。
繰り返しになりますが、生活習慣を見直し、自助努力を続けて、薬のいらない体を作ること、これが基本とお考えください。