降圧剤(薬)をやめる⑤「骨休め・10回深呼吸」
血圧は必要だから上がっている!
「薬はやめたいときがやめどき」と医師が断言!
そのための方法として、ここでは、「骨休め・10回深呼吸」をご紹介します。
■そもそも高血圧は病気とはいえない
私は、高血圧の患者さんに、基本的には降圧剤を出しません。 15年ほど前から、ほとんどのケースで、上がった血圧を薬で無理に下げない方針で、治療に当たっています。 その代りに、生活習慣を改善して血圧を下げることを勧めています。 また、現在、降圧剤を飲んでいる患者さんには、「薬はやめたいときがやめどきですよ」と言っています。 そもそも、高血圧は病気とはいえません。 血圧は、心臓の収縮によって動脈に送り出される血液の量(心拍出量)や流れの速さ、血管の硬さ(血管抵抗)で決定されます。 心臓から送り出される血液の量が多く、流れが速ければ、血圧は上がります。 こうした血圧の変動を調整しているのが、自律神経です。 血圧が上がるときには、その必要のある事態が体に起こっています。 疲れたり、寝不足になったりすると、血圧が上がります。 これは、疲労などで血流が悪くなり、血圧を上げないと体が守れないからです。 精神的なショックを受けても、血圧が上がりますが、これもストレスと闘うため、体が必要と感じて血圧を上げているわけです。 脳梗塞(脳の血管が詰まって起こる病気)で倒れる寸前に、血圧が200ミリ以上に上昇することがあります。 これも、脳の血管に血の塊ができ、血流が低下した状態を、体が何とか改善しようとした結果です。 ですから、加齢によって血圧が上がるのは、自然な現象です。 年を取るとともに、血管は弾力をなくして細くなります。 すると、血液を送り出すために強い力が必要になり、その結果、血圧が高くなるのです。
一般的な血圧の正常値は、最大血圧が140ミリ以下、最小血圧が90ミリ以下ですが、これは私の考え方からすれば適正とはいえません。 本来なら、年齢に90を足したものをその人の適正な血圧と考えるべきです。 しかし、今の高血圧の診断基準では、一律に高血圧と診断されて、降圧剤が当然勧められますが、そうなると、 めまいなどの症状が進行する危険性があるのです。 降圧剤の最大の弊害は、生きるための体の自然な反応を抑えることです。 それが、自律神経の働きを狂わせ、免疫力を低下させ、さまざまな病気や症状を引き起こします。 心臓病や腎臓病の人、めまい、しびれ、息切れ、倦怠感、肩こりなどの体調不良を訴える人の中には、 長期間降圧剤を服用している人が目立ちます。 こうした長年の診察経験から、私は、降圧剤の使用に疑問を抱くようになったのです。
●薬をやめて体調がよくなる人が多い
ことに、降圧剤を使用していて恐ろしいのが、脳梗塞を引き起こす危険性があるからです。
一例を挙げてみましょう。
50代の会社員の男性は、健康診断で高血圧だと診断された40歳のころから、降圧剤を飲み続けてきました。
10年後に、脳梗塞を起こして倒れ、私が勤務する病院に運ばれてきました。脳梗塞は、脳卒中の一種です。
「脳卒中が心配だから」などと医師から言われ、その男性は、降圧剤で血圧をコントロールしようとしていたはずです。
これは、降圧剤で無理に血圧を下げ続けたため、血流が抑制されて起こった可能性が高いと考えられます。
また、降圧剤の成分によっては、血液の粘性を高めるものが入っていることがあります。
これが、さらなる高血圧の原因となる懸念もあります。
こうしたわけで、私は、現在降圧剤を飲んでいる患者さんにも、飲むのをやめることをお勧めしています。 実際、これまでに多くの人に降圧剤をやめてもらいましたが、やめて血圧が上がった人は2割程度。 その2割の人たちも、その後に大きく体調を崩した人はいません。 むしろ、血の巡りがよくなり、しびれが消えたり、頭がスッキリしたりするなど、好影響が出るケースが非常に多いのです。 繰り返しになりますが、「薬はやめようと思った時が、やめどき」です。 それに急に薬をやめようが、徐々に薬の量を減らしてやめようが関係ありません。 「生きるために必要だから血圧は上がっている」と考えれば、高血圧をむやみに恐れなくなりますし、 無理なくやめられるようになるでしょう。