心因性腰痛

心因性腰痛は、精神的ストレスが原因の腰痛です。

■症状と特徴

いろいろな整形外科的検査を行っても異常が見つけられない慢性的な腰痛のうち、ストレスや心の問題が大きく影響しているケースです。 慢性腰痛を訴える患者さんの多くに抑うつ状態がみられるといわれます。 人間関係のストレス、自分の仕事に対する不平・不満、家庭不和など、さまざまな問題が腰痛を悪化させていると考えられます。

■原因

背骨やその周囲の筋肉などに異常がなく、内臓にも病気がない、といった原因不明の痛みの場合、心因性腰痛であると考えられています。 心のストレスがその原因となっていることが多いのです。

■治療

まずは、痛みをとる薬物療法を行います。主に非ステロイド系の抗炎症薬が使用されます。 さらに、精神的、心理的な要因を改善するために、抗鬱薬が有効であるケースが多数あります。 薬物療法と並行して、心理療法やカウンセリングなど、心療内科や精神科での治療も行うと、さらに効果的なことがあります。 心因性腰痛は、痛みをとるだけの治療よりも、話したり相談したりすることで、心理的な要因を取り除くことが大切です。 家族や周囲の人の理解も不可欠です。孤独感や不安、不満が痛みを増大させていることがあるので、 家族は、理解していることを本人に伝えることを心掛けてください。