冷え性を芯から治す、価値ある薬味
『ショウガ』

ショウガには、抗酸化作用・抗菌作用・滅菌作用・抗癌作用・食欲増進作用のある「ショウガオール」、 抗癌作用のある「ジンゲロール」、血行促進・脂肪燃焼促進作用のある「ジンゲロン」、 抗酸化作用のある「テルペン」、抗酸化作用・睡眠誘導作用・抗癌作用のある「メラトニン」などが含まれています。


■冷え性を芯から治す、価値ある薬味『ショウガ』

ショウガ 握り寿司にはガリ(甘酢ショウガ)が付きものですが、これはどうしてなのでしょうか。 ネタがいろいろあるために口直しをする、あるいは食欲増進のため?いえ、そればかりではありません。 ショウガの持っている抗菌効果を利用して、生魚の毒を消し、食中毒を防止するためなのです。 ショウガの辛み成分であるジンゲロンやショウガオールは、優れた殺菌力を持っていることが知られており、また、吐き気を抑え、食欲を増進させます。 さらに、ジンゲロンはその適度な刺激により血液の循環を促し、内臓の働きを活発にして、冷えを防止します。 また、発汗機能を活発にし、新陳代謝を促進します。 ジンゲロンは、新鮮なショウガよりも、長時間加熱したり、乾燥したものに多く含まれています。 体を温め、脂肪燃焼しやすくするため、最近では、ダイエット食品としても人気。1日10g、小さじ1杯程度摂るようにするとよいでしょう。


■食欲を増進させ、血行をよくし、新陳代謝を促す

思春期や更年期の女性に多く見られる不快症状が冷え性です。冷え性は、タンパク質やビタミンが不足することにより、新陳代謝が衰えたり、 血液の循環がスムーズに行われない場合に起こります。東洋医学では、特に冷え性に対し、ショウガがよく用いられています。 ショウガの利用部分は根茎と若芽。ショウガには、軟化促成の新ショウガ、硬くて辛い根ショウガ、かつて東京・谷中の特産品であった谷中ショウガ などがありますが、薬効に優れているのはヒネショウガです。 また、生のショウガに対し、一度蒸して乾燥させたものを乾姜(炮姜)と呼びます。 蒸して乾燥させることにより薬理作用が濃縮され、体を温める力がさらに増強されます。 乾姜は、冷えからくる頭痛、下痢、月経異常に有効で、また、腰から下半身にかけての痛み(神経痛・関節炎)を取り除きます。


■冷え性を解消する、ショウガの食べ方

▼冷え性に
ラム(子羊の肉)150g、せん切りのショウガ20g、当帰(トウキの根)6gをたっぷりの水に入れ、弱火で小1時間ほど煮て、スープごと食べる(1日2~3回分)

▼冷え性に
鶏ささみ50gを2cm幅のそぎ切りにする。おろしショウガ20g、米80g、鶏がらスープ3.5カップでおかゆを作り、ささ身を加えて、一煮立ちさせる(1日2回分)。

▼冷えからくる慢性関節炎に
ショウガ、ネギ、赤トウガラシ各9gを細かく刻み、温かいうどんに入れて食べる。汗が出てきたところで食べるのをやめる。1日1回10日間続ける。


■吐き気、わきがなどにも効果的

中国漢方では、ショウガは吐き気を止めるほか、風邪、鼻詰まり、頭痛、咳、食欲不振に広く応用されてきました。 また、最近の研究では、ショウガはニンニクやタマネギに勝るとも劣らない抗凝血作用があることが解明されました。 さらに、血中コレステロールを減少させる作用、血圧を下げる作用が相次いで判明し、心臓病や高血圧に応用されています。 また、ショウガには大脳皮質を興奮させる働きがあります。 このような作用で新陳代謝を促し、体の機能そのものを高めるため、疲労回復や病気に対する治癒力を手助けする働きがあることも報告されています。

▼風邪の初期に
ショウガの薄切り5切れ、青じそ50gを水3カップで10~15分ほど煮詰め、1日2~3回に分けて飲む。 または、ショウガの薄切り5切れに小さく切った大根250g、黒砂糖少々を加え、水4カップで半量になるまで煮詰め、1日2~3回に分けて飲む。 または、ショウガの薄切り5切れに乱切りのネギ50g、黒砂糖少々を加え、水3カップで半量になるまで煮詰め、1日2~3回に分けて飲む。

▼風邪に
おろしショウガ6g、みじん切りのネギ5gナツメ4個に熱湯3/4カップを加え、5分置いてから飲む(1日3~4回)。

▼悪心、嘔吐に
ショウガ汁10滴を水で薄めて飲む。または、ショウガ汁10個にハチミツ少々を加え、熱湯で薄めて飲む。

▼わきがに
ショウガを切り、切った断面で脇の下を1日5回こする。