不妊症の人は常食するとよい食品
『ヨモギ』

ヨモギには、抗菌作用・消炎作用・(外用で)アトピー性皮膚炎のかゆみ止め作用のある「シネオール」、 血圧降下作用のある「ポリフェノール」、体温上昇作用・肝機能強化作用のある「コリン」、免疫力強化作用のある「多糖類」などが含まれています。


■草餅にヨモギが使われるのはなぜ?

ヨモギ ヨモギは山野に自生するキク科の多年草です。中国では古くからヨモギには毒気、邪気を払う力が秘められており、これを食べると寿命が延びるといわれていました。 このような考え方が日本にも伝えられ、3月3日の節句には草餅にヨモギが用いられ、5月の端午の節句にも菖蒲と共に軒下につるす風習が各地に残っています。 これも、毒気、邪気を払うという考えが受け継がれたものです。 そのほか、ヨモギの葉裏に密集している繊毛は、乾燥させてモグサとして灸に利用されています。 他にも、切り傷につけたり、韓国ではヨモギ蒸しという、ヨモギで下半身を蒸して、 生理痛、産後の肥立ち、更年期障害などの婦人科系の病気を治す民間療法が 数百年前より伝わっています。


■ホルモンバランスを整え、子宮機能を活発に

中国の南北朝時代の薬物書『名医別緑』には、ヨモギは「婦人の不正性器出血を止め、血流を増やして、内臓の働きを高め、妊娠を促す」作用がることが記されています。 不妊症は、卵管閉塞など器質的な障害で発生する場合もありますが、一番多く見られるのが、ホルモンのアンバランスを含めた機能的なトラブルです。 ヨモギは血液の循環を活発にし、ホルモンのバランスを調節し、さらに子宮そのものの機能を活発にしてくれます。 ヨモギはセスキテルペンやシネオールなどの精油成分を豊富に含んでいます。 これらの成分は、多種類の病原菌に対する抗菌作用、気管支炎などに有効な気管の緊張を解く作用、子宮の病気に対して効果のある子宮の調整作用、 心拍数を減少させ、冠動脈の血流量を増大させる作用などを有することが、各種の動物実験からも明らかになっています。 また、葉緑素、 β-カロテン、コリンなども豊富に含まれています。


■ヨモギの食べ方

▼不正性器出血、妊娠時の胎動不安、激しい腰痛に
艾葉(乾燥させたヨモギ葉)60gを日本酒5合(4.5カップ)で半量になるまで煮詰める。1日2~3回に分けて飲む。

▼おりものに
艾葉15gを水3カップで40分煮る。アクを除き、卵2個を入れ、さらに10分煮る。1日1~2回に分けて煮汁ごと食べる。5日間続ける。

▼不妊症、冷え性、月経不順、不正性器出血に
艾葉15gと当帰(トウキの根)6gを水3カップで半量になるまで煮詰める。1日2~3回に分け、温めて飲む。

▼不妊症に
ヨモギ150gを軽く茹で、薄切りにしたレバー100gと一緒に強火で炒める。塩、コショウ各少々(またはオイスターソース)で味を調える。


■慢性気管支炎や冷えからくる胃腸の痛みにも有効

ヨモギにはそのほか、気や血の巡りを整え、体全体を温める働き、水分代謝を改善し、余分な水分を追い出す働き、加えて冷えによる腹部の痛みを治す働き、 鼻出血、吐血、下血などを止める働き、月経不順やおりものを出す働きなどが知られています。 さらに、慢性気管支炎で咳が止まらないものや、 イボの治療にも効果のあることが証明されています。

▼慢性気管支炎で咳が止まらないものに
艾葉60gに黒砂糖15gを加え、水1.5カップで40分(半量になるまで)煮詰め、アクを取った液3/4カップを1日3~4回に分けて飲む。 1週間続けることにより、効果が現れる。

▼イボの治療に
新鮮なヨモギ葉で患部を1日5~6回揉む。早ければ3日、おそくとも10日繰り返せば効果が現れる。

▼冷たいものの摂り過ぎによる胃腸の痛みに
艾葉を木綿袋に入れ、水の状態から風呂に入れて沸かす。この風呂にゆっくりと浸かる。長時間の保温が続き、痛みが改善される。

▼すり傷、切り傷の止血、殺菌に
生のヨモギ葉をもんで患部に貼る。