月経不順を根本から治す食品
『ゴマ』
ゴマには、抗酸化作用・肝機能強化・コレステロール値低下作用・抗癌作用のある「ゴマリグナン(セサミン、セサモリン、セサモール)」、 肝機能強化作用のある「メチオニン」、神経伝達を正常化する「トリプトファン」、免疫力強化・脂肪代謝促進作用のある「アルギニン」などが含まれています。
■「ごまかす」の語源は?
ゴマは種子の色の違いによって、白ゴマ、黒ゴマ、黄ゴマ、金ゴマなどに分かれています。 黒ゴマは主に食用として、白ゴマは脂肪が多いので、油を採取するのに用いられます。 黒ゴマ、金ゴマは、生産量は少ないのですが、色合いと香りのよさで茶人の間で喜ばれています。 薬効に多少の違いはあるものの、主な効能は似通っています。 しかし、黒ゴマと白ゴマを比べると、黒ゴマのほうが薬効の幅が広いため、漢方では黒ゴマを使用しています。 ただし、黒ゴマの中には、色素を用いて黒くしているものもあるので、注意が必要です。 ところで、「ごまかす」という言葉があります。これは、和え物などにゴマを使えば、料理下手な人でも美味しく作ることができ、 料理上手に見える、つまり、「ごまかす」ことができる、ということからきています。 「アラビアン・ナイト」の呪文「開けゴマ」も、ゴマの持つ万能のパワーに由来しているといわれています。
■カルシウム、ビタミン群が月経に伴うイライラを解消
月経不順とは、月経がなかったり、期間・周期が不順だったり、出血量が一定していない場合をいいます。
月経不順はホルモンのバランスが崩れた時に起きやすく、その原因は精神的なストレスが大きく影響しているといわれています。
特にゴマが効果を発揮する月経不順の症状は、月経が遅れ気味、経血量が少ない、月経時の下腹部の鈍痛などです。
ふだんから皮膚がカサつきやすかったり、髪の毛がパサパサしたり、爪がもろく割れやすかったり、
便が硬めで便秘がちなどの傾向があれば、ゴマの適応症といえます。
ゴマには
カルシウム、
ビタミン群が多く含まれています。
これらは神経の高ぶりを鎮める働きがあり、月経に伴う精神的なイライラを解消します。
さらにビタミンB1も豊富。
これは栄養素を効率よく吸収するのに有効で、疲労回復や精神の安定にも効果を発揮します。
ゴマに含まれている多量の不飽和脂肪酸(リノール酸=ビタミンF)や
ビタミンEの存在も見逃せません。
これらは末梢神経障害を改善し、中性脂肪を減少させます。
また、冷え性の治療、美肌効果などにも有効です。
貧血の予防にも役立つ
鉄、
銅や
マンガン、
亜鉛など微量元素もたくさん含まれています。
■月経不順を克服するゴマの食べ方
- ▼月経不順に
- 炒ってすり下ろしたゴマ小さじ1~2を卵1個とよく混ぜ、熱湯を加えて半熟状にする。ハチミツ小さじ1/2~1を加えて飲む。
- ▼月経不順によるめまい、目のかすみに
- 乾燥させた桑の葉30gと、炒ってすりつぶしたゴマ9gを水2.5カップで半量になるまで煮詰める。1日2~3回に分けて飲む。
■常食すると血管や細胞の老化を遅らせる効果も
黒ゴマには特に肉体の老化を防いだり、血液の量を増やし、その効果を高める働きがあります。 黒ゴマを食べていると、物忘れが減る、髪が黒くなるなどの効果が現れます。 また、筋肉や骨もしっかりと作られてきて、美しい肌を作ることができます。 禅宗の僧の食生活を調べたところ、ゴマを常食していると血管や細胞の老化を遅らせる作用があることがわかりました。 これは、ゴマに含まれているセサミンなど強い抗酸化作用を有するリグニン類が、血管を構成する細胞膜に作用して、細胞の老化を防止し、 新陳代謝を促進し、血管を丈夫でしなやかにするからなのです。
- ▼空咳、皮膚の乾燥に
- 黒ゴマ50gと氷砂糖20gをすり鉢ですって、ドロドロにする。1日2回、15gずつ白湯に溶かして飲む。
- ▼足腰がだるく、立っているのがつらいときに
- 黒ゴマ、クコの実、何首烏(ツルドクダミの根)各25gを水4カップで半量になるまで煮詰める。 煮汁を1日2~3回に分けて飲む。
- ▼老人の習慣性便秘に
- 黒ゴマ、クルミ、松の実各25gを潰してベトベトにする。ハチミツ適宜を加えてマーガリンくらいの硬さにする。 1日1回大さじ1を、朝、トーストに塗って食べるか、そのまま食べる。