肩こり体質を、食べて解消する野菜
『セリ』

セリには、肝機能強化・疲労回復効果のある「遊離アミノ酸(グルタミン酸・アスパラギン酸)」、 神経鎮静作用・抗炎症作用・強壮作用・肝機能強化作用のある「香気成分(モノテルペン酸)」などが含まれています。


■「厄年にはセリを食うな」といわれるのはなぜ?

セリ セリは春の七草の筆頭で、中国では強力に精がつく食材として珍重されてきました。 日本のことわざに「セリを食べると3年前の古傷が出る」「厄年にセリを食うな」というのがあります。 これは、セリを食べるとあまりにも精がつくために、かえって無理をしてしまうことを昔の人は知っていたので、食べ過ぎを戒めたものだといわれています。


■ストレス性&高血圧を伴う肩こりに有効

セリには ビタミンA(βカロテン)ビタミンB群ビタミンC及び カルシウム、リン、 などが多く含まれ、特に冬から春にかけての健康増進に欠かせません。 冬の間は、体を温めるために、どうしても動物性食品の摂取が増える傾向にあります。 その結果、血液は過剰な栄養物や老廃物によって汚れ、粘着度が高くなります。 肩こりは一種の血行障害によって発生します。 流れにくくなった血液が、肩や首筋、背中などに溜まり、コリの原因になるからです。 その点、セリに含まれている葉緑素、鉄、ビタミン類は、汚れた血液を正常で健康な状態にするため、冬から春にかけての健康増進に欠かせないのです。 さらにセリは神経の高ぶりを抑制し、血圧を下げる効果も備えています。 セリに含まれる特有の香り成分や苦み成分が ストレスに対する抵抗性を高め、神経の高ぶりを調整してくれ、 ストレスや高血圧によって起きる肩こりに最適です。 また、肩こりから来る目の充血、めまい、頭痛なども取り除くほか、炎症をやわらげる作用も知られています。 食べるだけでなく、セリを刻んで布袋などに入れて、入浴剤代わりとして風呂に入れると、体が芯から温まります。 神経痛やリウマチ、熱を伴う頑固な肩こりにも役立ちます。


■肩こりを解消する、セリの食べ方

▼肩こりに
セリ100gをミキサーにかけ、汁を搾る。搾り汁、ハチミツ各小さじ4を加えたものを、1日3回飲む。

▼肩こりに
セリの根60gを水2カップで半量になるまで煮詰める。1日3回に分けて飲む。

▼肩こりに
セリ250gをざく切りにし、乾燥ナツメ30gとともに水3~4カップで半量になるまで煮詰め、1日2~3回に分けて飲む。 1週間から10日間続けると肩こりが解消される。

▼イライラが昂じて、喉に詰まり感が出る肩こりに
セリ1kgをミキサーにかけ、汁を搾る。搾り汁にハチミツ大さじ1~2を加え、とろ火でドロドロになるまで煮る。 1日1回、熱湯小さじ1/2に溶かして飲む。


■高血圧、脳出血の予防・治療にも効果的

このほかセリには、胃腸の熱を取り、肝機能の異常亢進を抑制する働きがあり、二日酔いから黄疸まで効果があるといわれています。 また、セリは高血圧、 動脈硬化狭心症の補助療法、 糖尿病脳卒中の後遺症の補助治療としても利用されています。 そのほか耳下腺炎、 膀胱炎などの炎症を鎮める効果、 肝臓を保護する利胆・消炎作用があることも知られています。

▼高血圧で動悸や不安が強い人、肝機能が衰えて解毒能力が低下した人、胃のもたれ、胸やけが強い人に
たっぷりの湯に塩一つまみを入れ、セリ150gを2~3分茹でる。冷水で冷まして水気を絞り、4~5cm長さに切る。 これに、アサリ(むき身)100g、ニンジン1/2本(60g)とネギ1/2の各せん切り、だし1カップを加えて5~6分煮て、みりん、醤油各少々で味を調え、 とき卵2個分を入れ、一煮立ちさせる。

▼高血圧に
セリ250gを水3カップでドロドロになるまで煮詰める。砂糖少々を加え、何度でもお茶代わりに飲む。 または、セリの根60gを水3カップでドロドロに煮詰め、1日3回に分けて飲む。 または、セリ500gとゴーヤ90gを水3カップでドロドロに煮詰め、1日3回に分けて飲む。

▼脳出血の予防や後遺症の治療に
セリ250gをジューサーにかけ、汁を搾る。これを1日3回、小さじ3ずつ飲む。1週間をめどに続けると効果がある。

▼血尿の治療に
セリ250gと水3カップをミキサーにかけ、50~100mlずつ1日3~5回飲む。