■遺伝性乳癌とは?
遺伝子の変異により発症する確率が高い
「がんに関わる遺伝子の変異」によって発症したと考えられるのが遺伝性乳癌です。 乳癌を発症した人のうち、遺伝子の変異があるのは5~10%と考えられ、そのうちの多くを占めるのがBRCA1とBRCA2という2つの遺伝子の変異だといわれています。 予防・早期発見のために、遺伝子検査を受けてみるのも1つの選択といえます。 遺伝子検査は、血液検査でBRCAの変異の有無を調べるもので、国内では80以上の医療機関で実施されています。 遺伝子検査を受ける前には、必ず遺伝子カウンセリングを受ける必要があります。 遺伝子カウンセリングは、専門的な知識と資格を持つ遺伝カウンセラーが家族歴の正確な聴取を行い、医学的な評価や心理的なサポートを行います。 検査を受けた場合、メリットだけでなく、不安や迷いなどのデメリットが生じることもあります。 そうしたことを把握したうえで、検査を受けるかどうかを自身で判断します。 費用については、現在、健康保険の適用ではないため、全額自己負担で20~30万円程度かかります。
●遺伝子に変異があるとわかったら
2013年に、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんが、乳癌を発症していないのに、遺伝子検査を結果を受けて予防切除の手術を受けたことが話題になりました。 遺伝子に変異があっても、乳癌を一生涯発症しない人もいますが、60~85%くらいは発症する可能性があるといわれています。 また、遺伝子に変異がある人は、通常の人より10歳から15歳早く乳癌を発症する恐れがあります。 そのため、早期発見には25歳ごろから定期的に検査を受けることが推奨されます。 視触診や超音波検査は半年に1回、さらにマンモグラフィやMRI検査を受けることが勧められます。