早朝覚醒・熟眠障害などの不眠症状の対処法

朝異常に早く目が覚める、昼間異常に眠気を感じるなどの不眠症状は、脳の睡眠ホルモン不足が主な原因で、 そのような不眠症状には、睡眠ホルモンを増やす運動や日光浴、バナナやカイワレ、タルトチェリーなどの食品が有効です。


■早朝覚醒・熟眠障害

鬱の人や高齢者は、多くが不眠に悩む

「早朝に目が覚めて眠れなくなってしまう」「睡眠時間を十分取っているはずなのに寝不足で困っている」 皆さんの中にも、この2つの症状に悩んでいる人がいるのではないでしょうか。 これらは不眠の一種で、専門的には前者を「早朝覚醒」、後者を「熟眠障害」といいます。 不眠は、症状別に
①入眠障害(寝つきが悪い)
②中途覚醒(夜中に何度も目が覚める)
③早朝覚醒(朝早く目が覚める)
④熟眠障害(熟睡感がない)
の4タイプに大きく分けられます。この中でも、最近増えているのが早朝覚醒と熟眠障害です。 早朝覚醒や熟眠障害の増加は、鬱や高齢者の急増とも深く関わっています。 実は、鬱の人の8割、60歳以上の人の3割に不眠があるといわれ、その多くが、早朝覚醒と熟眠障害に悩まされているのです。 鬱の人の場合は、悪夢にうなされて、早朝に目が覚めるというケースも少なくありません。


■睡眠ホルモン「メラトニン」

メラトニンの不足が睡眠障害をもたらす

では、鬱の人や高齢者は、何故早朝覚醒や熟眠障害に悩まされるのでしょうか。 その主原因と考えられているのが、体内のメラトニンというホルモンの不足です。 メラトニンは、夕方から夜にかけて脳で作られ、全身の器官や組織に「休め」という信号を出すのが主な働き。 この働きによって、私たちは夜になれば眠くなるわけです。 私たちは睡眠中に、ノンレム睡眠という深い眠りとレム睡眠という浅い眠りを通常、4~5回ほど 繰り返しています。ノンレム睡眠は脳も体も休んでいる状態。レム睡眠は脳が活動している一方、 体が休んでいる状態で、よく夢を見ています。そして、朝方になるにつれて、レム睡眠が増えて眠りが浅くなり、 朝の適正な時間に起きるように、目覚めの準備に入るのです。

もし、メラトニンが不足すれば、この仕組みがうまく働きません。夜なのにレム睡眠が増えて、早朝に目が覚めたり、 夢ばかり見たり、熟睡感が得られなかったりするのです。それだけではありません。 私たち人間には、太陽が出ると活動を始めて、太陽が沈むと休眠するという生活のリズムがあります。 実は、このリズムも、メラトニンの働きによって生み出されているのです。 さらに、メラトニンは、睡眠中に癌細胞や病原菌などの有害な異物を排除したり、傷ついた細胞を修復したり、 動脈硬化などの重大原因になる活性酸素を消したりする体の働きを助けるということもわかってきました。 皆さんも、夜寝る前に疲れがたまっていても、翌朝目覚めたときに疲れがすっきり取れていたという経験があるでしょう。 これもメラトニンの働きの一つなのです。