不眠症の原因と対処法

不眠症』というと、みなさんは夜、布団に入っても眠れない状態を思い浮かべるでしょう。 ところが、実際はそれだけが不眠症というわけではありません。 「夜中に目が覚めて眠れなくなる」「必要以上に朝早く目が覚める」「昼間に眠い」 「十分寝たつもりでも、起床後に眠気を感じる」・・・・・こうした症状も不眠症の一種なのです。 不眠症の症状や原因はさまざまなので、それぞれの症状や原因に合った対処法が必要です。


■入眠障害ののタイプと対処法

『不眠症』のタイプには、「入眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」「熟眠障害」4つのタイプがあります。 それぞれのタイプの特徴・原因・対処法を説明いたします。

1.緊張が原因の入眠障害
夜まで仕事をしたりして、緊張感が夜遅くまで持続すると、眠りに入る準備が十分にできて いないため、寝付けなくなります。 また、夕食後にコーヒーなどのカフェインを含む飲み物を飲んだり、就寝前に喫煙したり すると、神経が興奮して不眠の原因となります。
対処法は、就寝前の1時間半くらいの間、40℃程度のぬるめのお湯に入浴するなど するとよいでしょう。
【関連項目】:『温浴 ~心身のリラックスに~』

2.精神的なストレスや心配事が原因の入眠障害
仕事や私生活での心配事や悩み事による精神的なストレスが原因の不眠症です。 うまく眠れないとそれが気になって不安になり、ますます寝付けなくなります。
対処法は、無理に眠ろうとせず、眠くなってから床につくようにし、床についても 眠れないときは、一度床を離れて好きな音楽を聴いたり、読書をしたりして、 リラックスする時間を確保するようにして、気分転換するとよいでしょう。
【関連項目】:『ストレス解消』

3.生活リズム
体内時計)の遅れによる入眠障害
夜型の生活が続くと、体内時計が遅れ、夜遅くまで眠れず、朝もなかなか起きられなく なります。いわゆる「宵っ張りの朝寝坊」になり、社会生活に大きな支障を来します。
対処法は、朝起きたらすぐにカーテンを開けて、部屋に太陽の光を取り入れ、 体内時計のリズムを早めるることです。曇りや雨の日でも体内時計のスイッチを入れるには 十分な明るさがあります。
また、生活のリズムの遅れを防ぐために、休日も普段と同じ時刻に起床するようにします。 少し長く眠りたい場合でも、1~2時間程度にとどめましょう。

■不眠症の治療「薬物療法」

通常の就寝時刻に眠れるように睡眠薬を服用する

生活を改善しても、不眠が解消されない場合には、睡眠薬による治療があります。 日本では、作用や持続時間などが異なる、さまざまな種類の睡眠薬が使われています。 不眠のタイプや程度、不安感の有無などから、患者さんに適した種類を選び、服用量を調節します。

【関連項目】:『睡眠薬の選び方』


■その他

高血圧の薬、ステロイド薬、インターフェロンなどの薬が、不眠の原因になることもあります。