■糖尿病と不眠

糖尿病の症状が不眠を招き、不眠が血糖値を上昇させる

糖尿病のある人では健康な人に比べ、不眠に悩む人が2倍以上いることがわかっています。 その多くは、起床と就寝時間の睡眠リズムや、食事をする時間が不規則といった、 不眠を起こしやすい共通した生活パターンを持っています。


●糖尿病が不眠を招く

糖尿病があると、糖尿病の症状である「のどの渇き」や「夜間頻尿」、糖尿病性神経障害による「痛みや痺れ」、 自律神経障害による「発汗異常」や「胃腸障害」などで、寝付きにくくなったり、睡眠中に目覚めやすくなります。 また、「血糖降下薬」や「インスリン」を使用している人では、「低血糖への不安」といった心理的要因が 不眠を招くこともあります。


●不眠が血糖値をあげる

不眠は、それ自体がストレスになります。すると、「コルチゾール」や「成長ホルモン」などの 「ストレスホルモン」が多く分泌されたり、神経を興奮させる働きのある「ノルアドレナリン」 が多く分泌されます。これらの物質は血糖値上げるように働くため、糖尿病の悪化につながります。 実際に、健康な若い人を対象にしたアメリカの調査では、睡眠時間を4時間に制限して人工的に不眠の状態にすると、 それだけでも血糖値が上がるという結果が出ています。
また、健康な人でも、睡眠障害があると4~5倍ほど糖尿病になりやすくなるといわれています。