■高血圧と不眠

ストレスホルモンの分泌や交感神経の興奮で夜間も血圧が下がりにくくなる

不眠自体が血圧を上昇させることがわかっています。健康な人を対象に行った調査では、睡眠時間が短いと、 血圧の上昇と心拍数の増加が見られました。高血圧の人であれば、不眠が症状を悪化させる要因になるのです。


●不眠で夜間の血圧が下がりにくくなる

健康な人では、睡眠中は血圧が10%程度下がります。しかし、不眠がある人では、それ自体がストレスになって ストレスホルモンが多く分泌されると同時に、交感神経が興奮して血圧が上昇します。 通常は、昼間活動しているときは交感神経が優位に働き、睡眠時は脳と体を休息させるために 副交感神経が優位に働きます。しかし、不眠があると、交感神経が興奮したままになり、 就寝中に血圧が下がらず、高血圧を悪化させてしまうのです。
また、交感神経の興奮は心拍数も増加させるので、心臓にも負担をかけます。 そのため「心筋梗塞や狭心症」などの心臓病も招きやすくなります。

●「高血圧の症状が不眠を起こす

高血圧に伴う「イライラ感、頭痛、動悸」などの症状で不眠が起こることがあります。 また、一部の降圧薬には副作用で不眠を起こすものもあるため、不眠がある場合はまず担当医に相談します。