五十肩(肩関節周囲炎)

五十肩による痛みは、日常生活に支障を来す

五十肩(肩関節周囲炎)』は、肩関節を覆っている「関節包」や、潤滑油の役割をする滑液で 満たされた「滑液包」に何らかの原因で炎症が起きて肩が痛む病気です。 腕を動かすと強く痛むなどの症状が、突然現れます。痛みのために、腕を後方に回せなくなったり、頭に手が届かなくなるため、 日常生活にも支障を来してきます。例えば、「洋服を着る」「背中や頭髪を洗う」「お尻を拭く」といった動作が難しくなります。 痛みは特に夜間、寝ているときに起こりやすくなります。昼間、体を起こしているときは、腕が重力で下に引っ張られるため、 関節包や活液包などの組織があまり圧迫されません。しかし、夜間横になると、寝返りなどで肩関節が動きやすく、 炎症が起きている関節包などが圧迫されて刺激されます。そのため、眠れないほどの強い痛みが生じます。


■五十肩による痛み

着替えや洗髪などが難しく、日常生活に支障を来す

「五十肩(肩関節周囲炎)」は、肩関節を覆っている「関節包」や、潤滑油の役割をする活液で満たされた 「活液胞」に、何らかの原因で炎症が起きて肩が痛む病気です。腕を動かすと強く痛むなどの症状が、突然現れます。 痛みのために、腕を後ろ側に回せなくなったり、頭に手が届かなくなるため、日常生活にも支障を来してきます。 例えば、「洋服を着る」「背中や頭髪を洗う」「お尻を拭く」といった動作が難しくなります。 痛みや特に夜間、寝ているときに起きやすくなります。昼間、体を起こしているときは、腕が重力で下に引っ張られるため、 肩関節が安定し、関節包や活液胞などの組織があまり圧迫されません。 しかし、夜間横になって寝ると、寝返りなどで肩関節が動きやすく、炎症が起こっている関節包などが刺激されます。 眠れないほどの強い痛みが生じてしまうのです。

●痛みを早く軽減するために

”五十肩は、無理をしてでも動かした方がよい”と考えている人が多くいます。 運動療法は、、五十肩を早期に改善するために重要な治療法ですが、五十肩では、運動療法を行ってはいけない時期と、 積極的に行うべき時期があります。行っていけない時期に肩を動かすと、返って炎症を悪化させてしまいます。 経過に合った治療を受けることが大切です。


■五十肩の原因と症状

五十肩は、肩関節周辺の腱や関節包などの軟部組織に、ごく小さな断裂や炎症が起こる病気です。 肩や腕が痛んで腕が上がらない、衣服の脱ぎ着ができないなどの症状が現れます。 五十肩が最も多く発症する40~50代は、加齢によって肩周辺の軟部組織が変性する一方、仕事や家事、スポーツなど活動的な生活を送ることで肩への負担を招きがちです。 また、肩関節は動く範囲が大きく、軟部組織が引っ張られるので、五十肩が起こりやすいと考えられています。 炎症や拘縮によって五十肩が特に起こりやすいのは、次の4つの部位です。
肩甲下筋膜棘上筋膜との隙間にある腱板疎部、②腱板疎部とつながっている上腕二頭筋長頭腱腱鞘に拘縮が起こると、 背中に手を回したり、髪をとかす動作などがしづらくなります。③上腕骨頭と肩甲骨の受け皿を包む関節包の下側、④肩峰下滑液包に拘縮が起こると、 腕を上げにくくなります。 最近では、肩に不要な新生血管(異常血管)ができることで、痛みが続いたり、関節包が硬くなる原因になっていることがわかってきました。 また、糖尿病のある人は、糖尿病がない人と比べて五十肩になりやすく、かつ治しにくいといわれています。 糖尿病のある人は五十肩の発症を防ぐためにも、食事や運動、薬などで血糖を適切にコントロールすることが重要です。


■五十肩の経過と対処法

五十肩は、主に、次の4つの時期に分類されます。 五十肩では、症状の経過によって、肩の安静運動療法を適切に使い分けることが大切です。

▼急性期
発症~2週間程度で、痛みが強いものの、無理をすれば肩を動かすことはできます。 ただし、痛みを伴う動作は無理に行わないようにしましょう。 2週間~およそ3ヶ月の間は、炎症が強く、眠れないほどの強い痛みが現れる時期です。 寝返りを打ったり、腕を少し動かしただけで、強く痛みます。

▼拘縮期
関節包や活液包などに癒着が起き、関節が縮まって硬くなる(拘縮)時期です。 五十肩の多くは、発症から約3ヶ月で「拘縮期」に移行し、徐々に痛みが改善されます。 夜眠れるようになったら、拘縮期に入ったといっていいでしょう。

▼慢性期
通常は6ヵ月程度です。痛みは軽減しますが、肩が動かしにくくくなり、無理に動かそうとすると痛みが出ます。 痛みが軽減してきたら、肩の運動を行い、少しずつ肩の可動域を広げていきます。

▼回復期
通常は1年程度で徐々に痛みが解消し、肩を動かしやすくなるので、積極的に肩の運動を行います。

五十肩の多くは、1~2年で自然に治るとか、日常生活に支障がない状態になるため、必ずしも受診する必要はありません。 ただし、「強い痛みがある」「痛みや動きの制限で仕事など生活に支障がある」場合、整形外科を受診しましょう。 五十肩以外の病気で症状が長期化している場合もあるので、正しい診断を受けることが大切です。