■血圧を左腕で測った時と右腕で測った時の数値がかなり違います。心配ありませんか?

【答】

本来、血圧は左右どちらの腕で測定してもほとんど差はありません。 しかし、左右の腕で血圧を測定した時の最大血圧に20ミリ以上の差がある場合は要注意です。 というのも、血圧の低い側の血管のどこかで動脈硬化が進み、血管の内腔(血管の内側の空間)がかなり狭くなっている危険があるからです。 また、左右差が大きい人ほど高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病が多いという報告もなされています。 血圧の差が20ミリ以上ある人では、突然死さえ招く「大動脈瘤」が潜んでいる場合もあります。 大動脈瘤とは、大動脈で動脈硬化が起こり、弱った血管壁の一部に圧力がかかり続けた結果、 血管壁が膨らんで瘤状になる病気のことを言います。 大動脈瘤が破裂すると、大量出血を引き起こしてそのまま死に至る可能性があります。

また、若い女性で血圧の左右差が大きい人では、「大動脈炎症候群」という病気が疑われます。 大動脈瘤炎症候群は別名「脈なし病」とも呼ばれ、心臓から繋がる大動脈やそこから枝分かれしている太い動脈に炎症が起こり、 血管が狭くなったり詰まったりする病気です。自覚症状として発熱やだるさ、腕のしびれなどを伴います。

以上のように血圧の左右差は重病のサインとなり得るので、ときどき両方の腕で血圧を測ってみましょう。 そして左右差が大きい人はより精密な検査を受けるべきです。