■朝の起床後だけ血圧が高くなるのですが心配ありませんか?

【答】

昼間や夜に血圧を測ると正常なのに、朝目覚めたときだけ血圧が高い高血圧のことを早朝高血圧といいます。 起床してから30~60分後に血圧を測定し、上の血圧が135ミリ以上、または下の血圧が85ミリ以上という状態が週に2回以上あれば、 早朝高血圧を疑った方がいいでしょう。 早朝高血圧は、高血圧の中でも特に注意しなければいけない高血圧です。 脳卒中や心筋梗塞が起こりやすい時間帯は朝から正午の間であることがわかっています。 この時間帯に血圧が高くなる早朝高血圧では、それだけこれらの病気を発症する危険が高まるというわけです。

特に、早朝高血圧の一種で、就寝中も血圧の高い状態が続く「夜間高血圧」は非常に危険で、 夜間の上の血圧が150ミリ以上の人は、心筋梗塞や脳卒中になる危険度が、健康な人の4倍も高いという報告もあります。 普通、就寝中は起きているときに比べて血圧が下がり、心臓や腎臓にかかる負担を減らしたり傷んだ血管の修復を行ったりします。 ところが、夜間高血圧では就寝中も血圧の高い状態が続くため、血管や内臓に大きな負担がかかり、 動脈硬化や重篤な病気の発症を急激に早めてしまうのです。 夜間高血圧かどうかは、起床後と就寝前の2回、血圧を測定すればわかります。どちらも上の血圧が140ミリ以上ある場合は、 夜間高血圧が疑われます。

早朝高血圧や夜間高血圧が疑われる人は、家庭で記録した血圧値を持参して、早急に病医院を受診し、医師に相談してください。


▼関連項目
『早朝高血圧』