■最大血圧は135ミリほどですが、最小血圧が100ミリと高めです。心配ありませんか?

【答】

最大血圧が低いのに最小血圧は基準値より高い人をときどき見かけます。 この場合、注意すべきなのは年齢です。もし50歳以上でこうした血圧値を示しているのであれば、 細い血管(末梢血管)の動脈硬化が進行している可能性があります。普通、動脈硬化は末梢の血管から進行していきます。 こうした状態を放置しておくと、やがて全身の末梢血管に動脈硬化が広がり、心臓に強い負担がかかるようになります。 特に、脳の末梢血管で動脈硬化が起こると、微小脳梗塞(隠れ脳梗塞。 脳の微小な血管が詰まって周囲の脳組織が壊死した状態)が起こります。 微小脳梗塞が進行すると、物忘れや言葉のもつれなどが現れ、認知症(ボケ)の発症を招く原因になります。 また、末梢血管が密集する腎臓の糸球体周辺で動脈硬化が起こると、腎臓病の発症やさらなる高血圧の悪化にもつながります。

では、具体的にどのくらいの血圧になれば、末梢血管の動脈硬化を疑う必要があのでしょうか。 そこで、最近注目されているのが「平均血圧」という数値です。 平均血圧は、「(最大血圧-最小血圧)÷3+最小血圧」いう公式で算出できます。 質問にある場合では、(135-100)÷3+100=約112となります。 これまで行われてきた数々の研究によると、健康な人の平均血圧は90ミリ程度で、 100ミリ以上だと末梢血管で動脈硬化がかなり進行していると判断できます。

50歳以下で平均血圧が110ミリ以上あり、さらに言葉のもつれがあったり物忘れを頻発したりする人は、 微小脳梗塞が起こっている恐れがあります。 こうした人は、一度、脳神経外科などでMRI(磁気共鳴断層撮影)検査を受けたほうがいいでしょう。 また平均血圧が100ミリ前後の人も油断はできません。動脈硬化がこれ以上進まないように、十分な対策を行う必要があります。

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『平均血圧』