■病院で血圧を測るといつも高いのですが、家で測るとずいぶん低くなります。これでも降圧薬は飲むべきですか?

【答】

人間の血圧は時間や場所によってめまぐるしく変動します。 したがって、1回の測定でその人の正しい血圧を知るのは基本的に難しいといえます。 もちろん、測定する回数を増やせば正確さは増しますが、それでも解決できない問題があります。 その問題とは不安や緊張によって血圧の値が大きく変わってしまうことです。 実際、自宅で測ると血圧は正常なのに、病院で医師や看護師の前で測ると基準値を上回る人がいます。 こうした現象は、医師や看護師が白衣を着ていることから白衣高血圧という名前も付けられています。 その数は意外に多く、高血圧と診断されている人の15~30%は白衣高血圧であるといわれています。 白衣高血圧による血圧の上昇の度合いには個人差がありますが、中には実際の最大血圧が130ミリ程度であるにもかかわらず、 病院で測ると200ミリにまで跳ね上がる人もいます。

白衣高血圧は一時的なものなので、家庭でリラックスしているときの血圧が正常なら心配無用です。 また、降圧薬を服用する必要もありません。白衣高血圧のために医師から無用の薬を処方されないためには、 日頃から家庭血圧を測定し、医師に示せるようにしておくことが重要です。 ただし、白衣高血圧の人は長年のうちに本当の高血圧(持続性高血圧)に移行する可能性が高く、注意が必要です。