本当は危ない降圧習慣「ぬるめの風呂にのんびり入るのは危ない」
「ぬるめの風呂にのんびり入る」は実は危険で、10分以上だと血圧が急変動し、脳貧血が多発。
■入浴直後に血圧が50ミリ以上上がることもある
血圧が急変動する行為ととして、気を付けていただきたいのが入浴です。
入浴で血圧がどのように変化していくのかを見ていきましょう。
まず、風呂に入るために脱衣所で服を脱ぎますが、この時寒さにより血管が収縮して血圧は上がります。
その後、風呂に入ると、湯に触れることで血管がさらに収縮して血圧が上昇します。
もし、湯の温度が42℃を超えるような熱い湯だと、いっきょに血圧が上がってしまいます。
人によっては入浴直後に最大血圧が50ミリ上上がることもあります。
そうして、風呂に長いこと入っていると、体が湯の温度に慣れてきて、今度は血管が拡張して血圧が低下してしまいます。
このように、短時間で血圧が大きく変動することが入浴の危険な点で、
高血圧の人は脳貧血や脳卒中・心筋梗塞を引き起こしやすいのです。
脳卒中・心筋梗塞に比べて脳貧血を軽視する人はたくさんいるでしょうが、入浴時の脳貧血は大変危険です。 脳貧血が起こると意識がスッとなくなりますが、風呂に入っているときに起こると風呂でおぼれてしまい、 誰にも気が付かれなかったら命を失うことにもなりかねないのです。 ちなみに、風呂でのぼせる人は多いのですが、これはごく軽い脳貧血の一種です。
■冬は40℃の5分半身浴がベスト
では、高血圧の人が入浴する際、注意すべきところはどこでしょうか。
そのポイントを述べていきましょう。
まず、脱衣所・浴室を温めておくこと。ヒーターなどで温めておき、浴室は風呂のふたを取っておくと自然に温まります。
風呂に入るときは足から順にかけ湯して、湯船にも足から入るようにします。
そして、湯の温度はややぬるめにしてください。冬では40℃、夏では38℃が目安です。
湯量は、みぞおちくらいまでで半身浴になるのが基本です。
肩まで漬かるような湯量は、水圧によって心臓に負担がかかってしまうため、高血圧の人には不向きなのです。
さらに、もう一つ重要なことがあります。それは、長湯は禁物であること。一回の入浴で5分漬かるのを目安にします。 5分漬かったらいったん出る、というのを繰り返すのです。10分以上漬かっていると血圧が急激に下がって、 脳貧血を招く危険があるためです。 ぬるま湯の半身浴というと、本などを読んでのんびりと入浴すると思っている人も多いでしょう。 これは明らかに間違いです。高血圧の人は10分以上の長湯を避けてください。