本当は危ない降圧習慣「雑巾がけや掃除機がけには盲点がある」

掃除中に血圧が急上昇する姿勢の盲点があり、雑巾がけや掃除機がけでは頭を上げた姿勢を保つべし。


■前屈姿勢で血圧がかなり高くなった

24時間、血圧を測り続けていると、日常生活の何気ない姿勢で、血圧の変化していることがわかります。 携帯型自動血圧計を着けはじめたころ、私は喜んでいろいろな体位を測りました。 体位の中で、最も低かったのがあおむけで寝た状態でした。 最大血圧が114.3ミリで、最小血圧が69.2ミリだったのです。 これに対し、真っ直ぐ立った状態では最大血圧が121.2ミリで最小血圧が83.2ミリ。 その他、椅子に座った姿勢では最大血圧が117.7ミリで、最小血圧は73ミリ。 正座姿勢は、最大血圧が117.3ミリ、最小血圧が786ミリ。 しゃがみこんだ蹲踞の姿勢は最大血圧が123.6ミリで、最小血圧が85.5ミリとなりました。

一方で、血圧が特に上がった姿勢がありました。それが、体を前に向ける「前屈姿勢」です。 前屈姿勢ではなんと、最大血圧が149.8ミリ、最小血圧が102.2ミリとかなり高くなることがわかったのです。 前屈姿勢では、頭が下がっているため、頭部や顔に血液が鬱滞しますが、これが血圧の上昇に影響していると思われます。 ちなみに、背中の曲がり具合や手の位置などによっても、血圧は変わってきます。


■頭を下げて床を見る姿勢はやめよう

さて、こうした体位による血圧の変化を踏まえたうえで、日常習慣で気を付けていただきたいことがあります。 それが「掃除」です。掃除そのものは、室内をきれいにすることでストレスの解消が図れたり、 こまめに動くために減量に役立ったりして、総合的にみて高血圧の予防に役立ちます。 しかし、掃除中は血圧が上がる姿勢を取りやすく、注意が必要になります。

その血圧が上がる姿勢になりやすいのが、雑巾がけと掃除機がけです。 雑巾がけでは、膝を床に着け、手をやや前方に置いて床を拭きますが、この時に頭を下げて床を見る姿勢が要注意です。 この姿勢は、腕立て伏せの姿勢に近く、血圧が急上昇しやすくなります。 また、掃除機をかけるときも頭を下げて床を見ていると、血圧が上がりやすくなります。 どちらも、掃除を熱心に行っている人に見られる姿勢といえるでしょう。

雑巾がけの場合は、片膝は床に着け、もう一方の膝は立てます。 そして、頭を上げた状態で、体に近い部分の床を拭くようにしましょう。 掃除がけも、掃除機の柄を長くすれば背筋が伸びて頭を下げない姿勢になります。 とにもかくにも、掃除中は、「頭を上げる」ことを意識しましょう。