乳酸菌サプリメント【メタボリックシンドローム対策に】

最近話題になっているいるメタボ対策食品の素材として『乳酸菌』があります。 腸内に棲息する細菌と肥満との間に関係があるという研究が、注目されるきっかけになったようです。 2006年にワシントン大学のグループが2つの報告を同時にNature誌(vol.444, pp.1022-1023およびpp.1027-1031)に発表しました。 これらの報告では、肥満の人がダイエットをする過程で腸内細菌叢が変化することや、 痩せたマウスと肥満マウスでは腸内細菌叢が異なることが示されました。 腸の働きが悪いと肥満の原因になるだけではなく、腸内細菌の悪玉菌が増殖してさまざまな病気を発症しやすくなります。 腸内環境を整えるためには、「乳酸菌」や「食物繊維」が有効です。 「乳酸菌」やビフィズス菌は悪玉菌の増殖を抑え、善玉菌を増やします。

乳酸菌には免疫力を担う白血球を著しく強める働きがあることがわかりました。 乳酸菌を摂ると、白血球が強化される仕組みは、腸のうち、小腸(腸管)にある免疫機構と関係があります。 実は、内臓や組織の中でも最も免疫と関わっているのは小腸なのです。 乳酸菌を摂れば、その腸管の免疫機構が刺激されることによって、白血球の働きが高まるのです。 こうした小腸の仕組みを「腸管免疫」といい、免疫細胞が活性化し、免疫力が強まるのです。


■乳酸菌でメタボ対策

最近話題になっているいるメタボ対策食品の素材として乳酸菌があります。 腸内に棲息する細菌と肥満との間に関係があるという研究が、注目されるきっかけになったようです。 新聞などでも取り上げられたので、ご記憶にあるかもしれません。 2006年にワシントン大学のグループが2つの報告を同時にNature誌(vol.444, pp.1022-1023およびpp.1027-1031)に発表しました。 これらの報告では、肥満のヒトがダイエットをする過程で腸内細菌叢が変化することや、 痩せたマウスと肥満マウスでは腸内細菌叢が異なることが示されました。

腸内細菌叢と肥満との関係については、その後も報告が続き、今年のNature誌(vol.457, pp.480-484, 2009)には ヒトの双生児を対象とした研究成果が掲載され、腸内細菌叢には痩せ型と肥満型があることが示唆されています。 日本では、雪印乳業が内臓脂肪を低減させる乳酸菌に早くから注目して研究を行ってきました (公開特許公報 特開2008-63227, 特開2008-214253)。その成果を生かして誕生した製品が、 日本ミルクコミュニティ(メグミルク)から今年3月に発売された「メタボフリーヨーグルト ガセリSP乳酸菌」です。 なお、雪印乳業と日本ミルクコミュニティは、今年10月に経営統合することが発表されています(PDF:177KB)。

雪印乳業と日本ミルクコミュニティにより行われた研究(PDF:175KB)によると、 乳酸菌「ガセリSP株」(Lactobacillus gasseri SBT2055)にはヒトに対して内臓脂肪低減効果があります。 肥満気味の被験者に、ヨーグルトを1日200グラム12週間食べてもらったところ、 ガセリSP株を用いたヨーグルトを摂取したグループでは、内臓脂肪面積が4.6%、皮下脂肪面積が3.3%減少したとのことです。 内臓脂肪は皮下脂肪よりも落ちにくいと言われていますので、この結果は注目すべきものかもしれません。

日清食品やニチニチ製薬といった企業も、乳酸菌を利用したメタボ対策食品の開発につながる研究成果を発表しています。 この種の乳酸菌の効果を本格的に期待するのであれば、ヨーグルトなどの形よりも乳酸菌そのもの(錠剤など)の方が、 効果的で継続的な摂取もしやすいように思えます。 今後、各社から製品が登場することが予想されますが、どのような形の製品が残っていくのか注目しています。