入浴健康法『ぬるめの湯と好きな香りでリラックス』

冷えた体を温めるには入浴が最適です。しかし、熱い湯に入っても、体の奥までは温まりません。 ぬるめの湯と好きな香りで体をリラックスさせ、体の奥から温まりましょう。
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入浴健康法『ぬるめの湯と好きな香りでリラックス』

■入浴と自律神経

入浴すれば、体は温まると思われがちですが、入浴の条件によっては、体は十分には温まらないことがあります。 体が芯から温まるためには、血管が広がって血行がよくなり、 温かい血液が全身を流れる必要があります。血管が収縮すると、血行が悪くなりますから、 体の奥までは十分に温まりません。


■自律神経が血管の太さを調節

血管の収縮や拡張を調節しているのは「自律神経」です。自律神経は、自分の意思とは関係なく 働く神経で、「交感神経」「副交感神経」の2種類があります。 これら2種類の神経が外界からの刺激や環境などに応じてバランスよく働くことで、 心臓の動きや胃腸の働きなど、体のさまざまな働きがコントロールされています。

▼交感神経
主に活動するときに活発に働きます。交感神経が優位になると、心臓の拍動が早くなったり、 発汗が促進されるなど、体が緊張し興奮した状態になります。 また、血管は収縮し血行が悪くなります。

▼副交感神経
主に夜間休むときに活発に働きます。副交感神経が優位になると、心臓の拍動が ゆっくりになったり、胃腸の働きが活発になるなど、体の緊張がほぐれ、 リラックスした状態になります。血管は拡張し、血行が促進されます。

■ぬるめの湯で副交感神経が活発になる

入浴のとき、2つの神経のどちらが優位に働くかは、湯の温度で違ってきます。 40℃を超えないぬるめの湯に浸かると、副交感神経が優位になり、血管が拡張して、 体が奥のほうから温められます。 しかし、熱い湯に入ると、交感神経が刺激され、血管が収縮します。 体の表面の温度は上がりますが、体の奥までは温まりません。 熱い湯に長時間浸かると体が温まると思っている人が多いようですが、 そのような入浴法では温める効果が得にくいばかりか、事故につながることもあります。 十分に体を温めるためには、ぬるめの湯に入って、副交感神経を働かせることが大切です。


■香りの効果

副交感神経の働きは、入浴に香りを取り入れることでも活発になります。 ある調査では、ラベンダーのドライフラワーを湯に入れた「ラベンダー湯」と、 何も入れない「さら湯」で、副交感神経の働きを比較したところ、ラベンダー湯に入った 時の方が副交感神経の働きが活発になり、入浴後もその状態が持続していました。 ラベンダーに限らず、さまざまな香りにリラックス効果があると考えられています。 日本では、端午の節句(こどもの日)の菖蒲湯や冬至のゆず湯など、季節のさまざまな植物を 湯に入れて入浴する習慣があります。他にも、自然界には入浴剤として使えるものが豊富にあります。 ミカンの皮やリンゴの皮など身近なものも多いので、いろいろと試して、好みの香りを 見つけるとよいでしょう。

また、香りだけではなく、色や泡を楽しむなど、さまざまな入浴剤が市販されており、 それらを利用することもできます。最近は、入浴剤はもちろん、その他のさまざまな工夫で 入浴を楽しむ人も増えているようです。 自分なりの工夫でリラックスし、十分に温まりましょう。


■温まる入浴法

▼ぬるめの湯で半身浴
40℃を超えないぬるめの湯に、みぞおちくらいまでつかり、10〜15分間、 ゆっくり入ると、体が奥から温まる。肩が寒いと感じるときは、 湯につけたタオルを肩にかけるほか、浴槽のふたを胸の前まで閉める方法もある。

▼入浴剤を利用
二酸化炭素を含む入浴剤や好みの香りの入浴剤を湯に入れると、より温まる。

▼湯冷めを防ぐ
浴室から出る前に、25〜30℃程度のシャワーを手と膝から下にかける。 手足の末梢神経が収縮して、体から熱が奪われにくくなり湯冷めを防ぐ。 ただし、低い温度の湯をかけると血圧が上がるので、高血圧のある場合は行わない。