オメガ3系脂肪酸【動脈硬化・血栓・コレステロール・中性脂肪対策に】

オメガ3系脂肪酸』(DHA EPA DPA)は血をサラサラにする効果やコレステロール値を下げる効果があると言われています。 そのため、動脈硬化予防や血が固まって血管が詰まることによる重篤な病気の予防効果もあるとされ、 心筋梗塞や狭心症の発症リスクも低下させるというデータも残っています。 その他にも脳内細胞や神経伝達物質であるニューロンが作られるための材料になるというデータもあります。 最近の研究でうつ病の人は脳の前頭前野部分の脳細胞が萎縮していることがわかっているため、 脳内細胞の材料となるオメガ3脂肪酸(DHA EPA)の摂取が効果的であるという医学博士による研究もあります。


■脂肪酸

大きく3つの系統に大別される

私たちが日常摂っている油脂は、一般によく動物性植物性に分けられますが、体内での働きからは、 @飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸系、An-6系脂肪酸、Bn-3系脂肪酸【オメガ3】、の3つの系統に大別されます。 飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸系は、肉や卵、乳製品に多く含まれ、体内では主にエネルギーとして消費され、 ラードやオリーブオイルはここに分類されます。 オメガ6系(リノール酸)とオメガ3系(α-リノレン酸)脂肪酸は、体内合成が出来ず、 必ず食品から摂らなければならないので、「必須脂肪酸」と呼ばれています。 菜種や綿実、コーンなどの脂肪酸がオメガ6系に分類されます。

食品から取り込まれた脂肪酸は、からだの中で様々な脂肪酸に変換され、 健全な細胞膜と局所ホルモン(プロスタグランジン)を作るのに重要な役割を果たしています。 このプロスタグランジンは、炎症や痛み、腫れの調節、血圧や心機能の調節などに深く関わっています。 オメガ6系のリノール酸は、体の中で「γ-リノレン酸」を経て「アラキドン酸」に変換されます。 このアラキドン酸から作り出される局所ホルモンは、炎症を促進させたり、痛みを増強させる方向に働きます。

一方のオメガ3系α-リノレン酸は、「DHA」を経て「EPA」に変換されます。 EPAから作り出される局所ホルモンは、炎症や痛み・アレルギーを抑制したり、血栓を抑制させる働きがあります。 両者がバランスよく働いていれば問題はないのですが、現代の食生活は圧倒的にリノール酸やアラキドン酸の 過剰摂取に傾いています。その結果、炎症系の局所ホルモンが過剰に作られるため炎症や痛み、 アレルギーを誘発するようになるのです。


●n-6系脂肪酸

過剰摂取は生活習慣病の元凶

「n-6系脂肪酸」は植物の種子が原料のベニバナ油やコーン油、ひまわり油に特に多く含まれます。 n-6系の代表的な脂肪酸である「リノール酸」は、体に不可欠の必須脂肪酸(体内で合成できない脂肪酸) なのですが、最近は摂りすぎによる弊害の方が問題視されるようになっています。

具体的には、リノール酸が体内でアラキドン酸に変化し、さらにプロスタグランジンやトロンボキサンと呼ばれる ホルモン様物質に変化します。これらは少量では重要なホルモン作用を営みますが、多量に生成されると、 血小板を固まりやすくしたり、血管を収縮させたり、炎症を起こしたりすることが明らかで、 多量の摂取は避けなければなりません。 そのため、今ではリノール酸の過剰摂取は、動脈硬化・心筋梗塞・脳梗塞・認知症(ボケ)のほか、 肺・乳房・子宮癌、アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー病、肺炎や大腸炎などの炎症性の病気を招く 元凶と目されています。しかし今の日本人は、リノール酸を1日の必要量(体重60kgの人で1〜2g) の7倍以上も摂取し、完全に摂りすぎ状態に陥っています。


●n-3系脂肪酸【オメガ3】

DHA・EPA・ALNA・DPAの総称

『オメガ3』とは、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、 ALNA(α―リノレイン酸)DPA(ドコサペンタエン酸)の総称で、 n-6系やn-3系列の「多価不飽和脂肪酸」に属し、 体内合成が出来ず、必ず食品から摂らなければならない「必須脂肪酸」です。 DHA、EPAはマグロやサバなどの青魚に、ALNAはエゴマ油などに豊富に含まれています。 現在、n-6系脂肪酸の摂りすぎによる健康被害が社会問題化していますが、 そのn-6系脂肪酸の摂りすぎの害を見事に抑えてくれるのが、DHA、EPA、α−リノレン酸、DPA に代表されるn-3系脂肪酸【オメガ3】です。

オメガ3は細胞が機能するためには不可欠なもので、脳の機能との関係が深く、集中力をあげたり、 イライラを解消したりする効果があります。 また、DHAとEPAには、血小板が固まるのを防いで血栓を溶かす働きや、血管を拡張させて血流を スムーズにする働き、さらには悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす働きが認められており、 心血管系疾患の予防、生活習慣病の予防などに有効とされています。実際にDHAやEPAを多く摂っていると、 心臓病や脳卒中による死亡率が低くなることが、複数の調査で報告されています。 さらには、疲労回復、関節痛、アレルギー症状の緩和などにも有効であると言われています。

オメガ3を補うと、体内でリノール酸から生成されるプロスタグランジンなどとは若干構造の違うホルモン様物質が 生成されます。このホルモン様物質は、n-6系脂肪酸の場合とまったく正反対の働きをするのが一番の特徴で、 悪玉(LDL)コレステロールや中性脂肪の蓄積を抑えたり、血管を広げて血流を促進したり、 血栓ができるのを妨げたり、血管壁の弾力性を増したりと、動脈硬化の進行を強力に防いでくれます。 また、脳梗塞や心筋梗塞はもちろん、癌やアレルギー病、炎症性の病気を強力に抑える作用も注目を集めています。

オメガ3は体内で作ることのできないので、野菜や魚をしっかり摂った正しい食生活で摂取する必要があります。 しかし、私たちの最近の食生活は「食の欧米化」や外食の機会が増えていることもあり、 肉類に含まれる脂などを過剰に摂りがちです。 日ごろから意識的に魚や野菜を食べて、「DPA・DHA・EPA・ALNA」に代表されるオメガ3系脂肪酸の摂取に 努めるようにすることが、健康上必要といえるでしょう。


●オメガ3脂肪酸が不足すると

オメガ3脂肪酸は、亜麻仁油・エゴマ油・青魚・クルミなどに多く含まれます。 オメガ3脂肪酸は、単なるエネルギー源ではなく、細胞膜の構成要素になったり、身体のほとんどの機能を支配している第3のホルモンの原料になっている 重要な脂肪酸です。この第3のホルモンは極めて重要な物質なので、オメガ3脂肪酸が欠乏すると身体の機能は狂い、万病の原因になります。 また、病んだ細胞膜にしてしまうことで、皮膚・内臓・免疫機能など、ありとあらゆる病気を誘発します。 さらには、細胞が活性化できなくなると、肌の新陳代謝の周期も狂い始めます。その結果として肌荒れなどの目に見える形での影響が出てしまうのです。 「近年、免疫力が落ちて病気になりがちだな」 「肌荒れがひどいな」という方はオメガ3脂肪酸が不足しているのかもしれません

また、オメガ3脂肪酸は頭に影響を与えます。頭というのは、極端に言えば「脂の塊」です。 その内訳はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の割合が「1対1」の比率であり、そのオメガ3脂肪酸が不足すると、 脳の基礎を作ることができないので、「つい、うっかり」といった状況が生まれやすくなります。 最近、昔と比べて頭の衰えを感じる方は、積極的にオメガ3脂肪酸を摂ることをおススメします。

その他にも、オメガ3脂肪酸の不足によってやる気や気力が失われ、「疲れが残る」感じが続くことがあります。 身体がだるくなって疲労を感じるのは、体内に酸化物質が滞り溜まったままになったときです。 そして酸化物質の排泄が滞るのは血液がドロドロしているときです。 ですから、疲労を防ぎ解消する一番の近道は循環をよくすることであり、オメガ3脂肪酸から作られる体内調整物質は血液をサラサラにする働きがあるので、 オメガ3脂肪酸を摂ることで疲労を防ぐことができるのです。

前述のように人間のカラダには必要不可欠なオメガ3脂肪酸とオメガ6必須脂肪酸ですが、 近年の食生活ではファーストフードやお菓子に使うマーガリン、スナック菓子に使う揚げ油などオメガ6脂肪酸に偏りがちで、オメガ3脂肪酸は不足しがちです。 オメガ6脂肪酸を摂りすぎると体調を崩す原因にもなります。体調を整えてくれるオメガ3脂肪酸は、厚生労働省では1日の摂取目安量を1.6g〜2.4gと報告しています。 そして、2015年に栄養機能食品の成分として仲間入りしています。


●オメガ3系脂肪酸関連項目

DHA
DHA、EPAなどのnー3系列の多価不飽和脂肪酸は血液中のコレステロール濃度を低くして、 動脈硬化などの心臓血管系の病気になりにくくする働きや血液をかたまりにくくする働き、炎症を抑える働きがあります。 また、DHAは、脳の血流をよくしたり脳の神経細胞膜の柔軟性を高めたりして、脳の働きを活発にします。 最近ではDHAが認知症(ボケ)の改善にも効果を発揮することが明らかになりました。

DPA
『DPA(ドコサペンタエン酸)』は、オメガ3系脂肪酸の一種で、 動脈硬化の予防作用が非常に大きく、血管内皮細胞の遊走能を高める効果(動脈硬化予防の指標の一つ)では EPAの10倍以上もの効果が確認されています。またDPAには「血管新生の抑制効果」も確認されています。 血管新生とは、すでにある血管から新しい血管が伸びるもので、この新生を抑制することは さまざまな生活習慣病の予防につながると期待されています。

EPA
『EPA』を長期間摂り続けると、血液成分(赤血球、血小板)や体全体の細胞に取り込まれます。 その結果、血液を固まりにくくさせたり、血管をしなやかに保つほか、高脂血症を改善する働きがあります。 神戸大学の研究では、2700mg(1日)EPAを8週間投与により本態性高血圧患者の収縮期血圧が低下しました。

α-リノレン酸
高血圧対策には アマニ油やシソ油に多い「α-リノレン酸」の摂取が 大変有効であることが人に対する試験で判明しました。 α-リノレン酸は、血管を広げて血流をよくするので、血圧の低下につながると考えられるのです。 さらに、α-リノレン酸には血栓の合成を防ぐなど、動脈硬化を抑える働きもあるといわれています。

イワシペプチド
イワシには、DHA、EPA、DPAが豊富に含まれ、健康によい魚としてよく知られていますが、 残念ながらイワシを直接食べた場合には、生体内の消化酵素により消化されすぎてしまい、 その優良効果が発揮されにくいのが現実です。血圧降下作用を期待する場合には、その手前の 「ペプチド結合」の状態が最もよい状態とされています。

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