シニアの歯周病

歯周病脳卒中糖尿病など、さまざまな病気に影響を及ぼします。 特にシニアの歯周病のポイントを紹介します。


ポイント①症状に気付いたら、まず受診を

歯周病では、プラーク(歯垢)の中に潜んでいる歯周病菌などが増え、歯周組織に炎症が起こります。 今まで歯や口のトラブルがなかったシニアも「朝起きたときに口の中がネバネバする」「口臭を指摘される」「歯茎が腫れる」 「歯磨きの時に出血する」「歯が長くなったように見える」などの症状が現れたら、歯周病の可能性を考えて、受診しましょう。

ポイント②シニアの治療では手術はあまり行わない

受診すると、初めに問診で症状を確認します。それから、歯のエックス線画像を撮影します。 歯茎からの出血の有無や、歯周ポケットの深さなどを調べます。 歯周ポケットが5mm以上と深い場合は、手術の対象ですが、高齢者の場合、年齢や希望などを考慮して手術をしないことがほとんどです。 手術をせずにできる範囲で歯石やプラークを取り除き、歯周病の進行を抑える治療が行われます。

ポイント③治療で大切なのは丁寧な歯磨き

正しい磨き方が難しい場合は、以下のことに気を付けて磨くとよいでしょう。 歯ブラシをペンのように持ち、歯全体をまんべんなく磨くことを意識しながら、歯ブラシを細かく動かします。 力を入れ過ぎないよう、歯を1本1本丁寧に磨きましょう。 最近はいろいろなタイプの歯ブラシがありますが、自分の使いやすいもので構いません。


ポイント④磨いた後は、舌で磨き残しをチェック

歯磨きの後は、磨き残しがないか「舌」でチェックしましょう。舌は敏感です。 歯の表面を舐めて、歯の表面がザラッとしていたら、磨き残しがあります。 特に、歯と歯茎の間や奥歯は磨き残しやすいので注意しましょう。

ポイント⑤うまく磨けないと思ったら、電動歯ブラシも

手指を細かく動かせないなどで、うまく磨けない時には 電動歯ブラシや超音波歯ブラシなどを使うのもよいでしょう。 また、普段は自分でできる範囲をケアしながら、定期的に歯科できちんとクリーニングすると、歯周病予防になります。

ポイント⑥ブリッジや入れ歯のお手入れを忘れずに

シニアになるとブリッジや入れ歯を使用する人が多くなります。 ブリッジや入れ歯にもプラークや歯石が付きますが、強い力で磨くと変形することがあるので、優しくお手入れしましょう。 ブリッジは歯茎との境目が汚れやすくなりがちです。専用のデンタルフロスも活用しましょう。 入れ歯は軽く歯ブラシで磨いた後、入れ歯洗浄剤で洗浄します。

ポイント⑦かかりつけの歯科医を決めよう

治療がいったん終わった後も、日々の生活の中で、プラークや歯石はどうしても溜まっていきます。 歯と口の中をできるだけきれいに保つためには、定期的に歯科を受診し、クリーニングや磨き方の指導を受けることが大切です。 そのためにも、気軽に相談できるかかりつけ歯科医を近所に持つと、受診しやすくなります。