糖質制限①『糖質と老化』

50歳を過ぎて糖質を摂っていると、活性酸素が増えるばかりか、糖化も促進されるので、老化が加速する。


■糖質と老化

活性酸素が増えると細胞を錆びつかせ病気の原因に

50歳からは、体のメインエンジンが、解糖エンジンからミトコンドリアエンジンに切り替わります。 したがって、必要以上の糖質は摂る必要がありません。 しかし50歳を過ぎて、若いときのように糖質を多く摂っていると、解糖エンジンも活発に働いてしまうので、 ミトコンドリアエンジンの働きが悪くなります。酸素を燃料とするミトコンドリアエンジンが支障を来すと、 取り込んだ大量の酸素から活性酸素が作り出されます。この活性酸素が老化を加速させるのです。 活性酸素はさまざまな病気に関係が深い物質です。酸化力が強く、多量に発生すると細胞を酸化させ、傷つけます。 鉄は酸化すると錆びてしまいますが、活性酸素は細胞を錆びつかせます。 細胞に致命的な傷を負わせ、そこから病気となる細胞を作りだし、病気を増やしています。これが老化につながります。 また、活性酸素を増やす原因の1つに、マラソンのような激しい運動があります。 最近はマラソンブームで、東京マラソンなどのマラソン大会に参加する高齢者も増えています。 50歳以前であれば、マラソンは心身を鍛える良い運動です。しかし50歳を過ぎてからのマラソンはとても危険です。


●余った糖質がタンパク質とくっつき糖化を引き起こす

マラソンをしている高齢者の顔には、深いしわが刻まれていることが少なくありません。 これは活性酸素によって肌老化が進んでいるからです。 むしろ50歳からの運動は、適度に酸素を取り込めるウォーキングがお勧めす。 ほんの少し息が上がる程度の有酸素運動が、ミトコンドリアエンジンを活発に動かします。 もう1つ、50歳を過ぎて糖質を多く摂っていると、余った糖質が、たんぱく質とくっつく 「糖化」という現象が起こります。 この糖化もまた老化を促進させる大きな原因の1つです。 糖化が起こりやすいのは、皮膚や血管のコラーゲンです。肌の老化や血管の老化などは、活性酸素だけでなく、 糖化によっても引き起こされるのです。したがって、50歳を過ぎたら必要以上の糖質は控えるべきです。 日本人の食事は、主食、主菜、副菜、汁物で構成されていますが、主食のご飯や麺類には多くの糖質が含まれています。 これらの主食は、50歳からは摂らなくても大丈夫です。主食を摂らなければ、解糖エンジンの働きが抑えられ、 ミトコンドリアエンジンが優位に働きます。50歳以降も元気に生きるには、主食を控えることが大事なのです。