糖質制限⑨『肉は週2回』
不飽和脂肪酸の多い牛肉や豚肉も食べなければ長生きできない。青魚の脂は認知症予防に有効。
■肉は週2回
コレステロール値が低いと癌の死亡率が増加
健康のためには油脂(脂肪酸)の中でも、牛肉や豚肉、卵に多い不飽和脂肪酸は常温で固まりません。 飽和脂肪酸は私たちの体内や血管内に入ると固まる可能性が高く、血液の流れが悪くなるため、 体内の細胞に十分な酸素や栄養を送れなくなってしまいます。そのため、飽和脂肪酸は「控えたほうがよい脂」に分類されます。 しかし肉や卵には、飽和脂肪酸だけでなくコレステロールも含まれています。
コレステロールは、細胞膜や性ホルモンを作る原料であるとともに、筋肉を作るときも使われます。 脂肪酸を完全に排除すると、長生きすることができません。 1990年に発表されたイギリスでの調査によると心筋梗塞による死亡率が15%減少したものの、 癌の死亡率は逆に43%も増加し、自殺や事故死に関しては76%も増加しました。 また、東京都健康長寿センターが秋田県のある村の65歳以上の504人を対象に4年間調査した結果、 女性に関して、コレステロール値が低い人は、鬱病になりやすいと報告しています。
●魚を積極的に食べ脂肪酸のアンバランスを改善する
確かに飽和脂肪酸は大量に摂ると身体によくありません。しかし、ある程度のコレステロールは必要です。
ですから牛肉や豚肉は週に2回は食べたほうがよいのです。脂身の少ないヒレ肉やもも肉を選べば飽和脂肪酸の
摂取量を減らすことができます。
一方、不飽和脂肪酸は魚類や冬野菜に多く含まれています。不飽和脂肪酸の中でも、多価不飽和脂肪酸は、
脳機能を活性化させる油脂として注目されています。
とくに50歳以上の人にとって多価不飽和脂肪酸を含んだ食事は、アルツハイマー型の認知症に対して
予防や症状の進行を遅らせるのに有効だといわれています。
多価不飽和脂肪酸にはオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸があり、これをバランスよく摂ることが大事です。
オメガ3脂肪酸には、α-リノレン酸、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)などがあります。
α-リノレン酸はシソ油に多く、DHAやEPA葉青魚に多く含まれます。
一方、オメガ6脂肪酸は、コーン油、大豆油、ごま油に豊富です。
現在の日本の食生活は、オメガ3脂肪酸の摂取量が極端に減り、オメガ6脂肪酸が増えています。
イワシやサバなどの青魚を積極的に食べるなどして、このアンバランスを正してください。